瞬間移動もの、ここに極まれり!!(2)
・きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。
・桃ちゃん:いい子。
・青ちゃん:不思議ちゃん。
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前回までのあらすじ:「瞬間移動の能力者や道具が登場するラノベを書いてみたいなぁ!」ときぃちゃん。あれこれアイデアを出す3人だが……!
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き 瞬間移動ってさ、フィクションの世界では決して目新しいものじゃないじゃん?だからこそ、これまでにはない斬新でオリジナリティの強い味つけをしたいよな!「確かに瞬間移動だけど……なるほど!これは思いつかなかった!!」ってみんなに言ってもらえるようなさぁ!
桃 オリジナリティかぁ……。
き うん!なんかないかねぇ。
桃 うーん……あっ、そうだ!
き おっ!桃ちゃん、なになに?
桃 うん!「どこに移動するかわからない」ってどうかな!瞬間移動の能力を持ってるんだけど、移動先を指定できないの!……あー、でもこんなの使い物にならないかなぁ。
青 確かにストーリーにどう組み込むのか難しいところではあるけれど、それ、実際に登場する作品があるよ。
桃 えっ!そうなの!?
青 うん。「ドラえもん」に、「どこだかドア」と「どこへでもドア」という道具がある。「どこでもドア」のようなものだけど、行き先を指定することができないの。
桃 へぇ!
青 ただ、これはみんながよく知っている「どこでもドア」のアンチテーゼたるところに面白味があるのであって、「どこでもドア」抜きに「どこだかドア」や「どこへでもドア」のようなものを登場させたとして、果たしてそれで面白くなるのかと言われると……ちょっと疑問ではある。
き ふーむ。最初はインパクトがあるけど……出オチになるかもなぁ。
青 ギャグ作品向きかもしれないね。
き うん、確かに。
桃 そっかぁ。難しいね……。きぃちゃん、どう?何かオリジナリティの強いアイデア浮かんだ?
き うーむ……なんかこう……メッチャマズい実を食べるとか?
桃 ……メッチャマズい実?
き そうそう。スイカくらいの大きさの実でさ、全部食べると、3分間だけ瞬間移動できるようになるっていう設定。ただね、これがスーパーウルトラゲロゲロゲロマズい実でさぁ!
桃 ゲロゲロ……。
き 一口食べるとじわっといやな汗が出てきて、二口食べると胃が痙攣。三口食べれば吐き気を催し、四口目には嘔吐するというとんでもない代物なの。しかし嘔吐してしまっては、瞬間移動は叶わない!だから、みんな真っ青な顔をして食らいつく!で、瞬間移動した先で一斉にゲーゲー吐いちゃったりしてね!
桃 なっ、なるほど……。
き 敵からは「ゲロゲロの一味」と呼ばれ、恐れられてるってわけよ!
桃 ……確かにオリジナリティはあるねぇ……。
き だろー!
桃 そんな瞬間移動、きぃちゃんしか思いつかないと思うよ!だけど、えっと……青ちゃん、ちょっとアレだよねぇ……。
青 うん。悪くないと思う。
桃 えっ!?
青 「イケメン、あるいはかわいい女の子の真っ青な顔」や、「ゲロゲロやっているシーン」には間違いなく一定の需要がある。確かに万人受けは難しいかもしれない。でも、一部の人からは強く支持される作品になると思う。
桃 そっ、そっかぁ……。世界って広いんだねぇ……。
青 同じく、一部の人から強く支持される可能性があるアイデアとして、「ある種の薬を飲むことによって、全身の毛穴という毛穴から泡が吹き出し、その泡が体表面の79%以上を覆うと瞬間移動できるようになる」ってのはどうかな。
桃 えーっと、えーっと……毛穴から泡?
青 うん。体中の毛穴から「プチッ……プチッ……プチプチプチッ!」と泡が噴き出すの。
き おおっ!アニメ化する時には、ぜひどアップにしてほしいな!すげぇ迫力になりそうだ!
青 完全同意。
桃 ……どうしよ。「気色悪っ!!」っていう感想しか思い浮かないよ。……だけど、その気色悪さがいいんだよね、きっと……世界って広いから。
青 うん。世界は広いからね。
桃 うーん……広いねぇ……。
き その広大な世界にさ、ありったけの妄想をかき集めて乗り出すかと思うと、私、ワクワクするなー!!
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ウィーアーーー!!
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