第5章:瞬間移動もの、ここに極まれり!!
瞬間移動もの、ここに極まれり!!(1)
・きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。
・桃ちゃん:いい子。
・青ちゃん:不思議ちゃん。
---
新章開幕ー!!
---
5時間目と6時間目の間の休憩時間、高校の教室で……。
き 私はきぃちゃーん♪ラノベ作家ぁ♪日本一の人気者♪異世界、悪役令嬢、目じゃないよ♪筆は早くて語彙豊富♪アイデアもリアリティも抜群さ♪
桃 ……えっと、どしたの?
き おっす、桃ちゃん!「私はラノベ作家さまだ!」つってさ、ジャイアンのテーマソング「おれはジャイアンさまだ!」の2番の歌詞のパロディだよ。
桃 ジャイアンの歌って2番があったんだ!……っていうか、元の歌詞を知らないからパロディになってもよくわからないね……。
き まぁ、世の中ってそんなもんじゃね?
桃 えっ?うーん……そう言われるとそんな気もするなぁ……。
き でさぁ!
桃 うん。
き 昨日久々に「ドラえもん」を見てて、ふと思ったんだよ!「ドラえもん」といえばどこでもドアだけど、アレって要するに瞬間移動じゃん?
桃 えっ?……あー、そういえばそうだね!
き 私も「瞬間移動の能力者」とか、「瞬間移動のための道具」が登場する作品を書いてみよっかなぁ!
桃 面白そー!
き だよな!
桃 うん!それじゃあ、「瞬間移動の能力者や道具が登場するラノベ」を考えてみようよ!
き よっしゃ!どんなのがいいかなぁ。どうせなら斬新なのがいいよな!
桃 斬新かぁ……。青ちゃん、何かないかな?
青 うん。「特定の誰かを瞬間移動させることに特化した能力者」というのはどうかな?自分自身が移動することはできないの。
き ほぉ、面白いな!
桃 特定の誰かかぁ……誰かとパートナーを組むってことだよね?
青 うん。
き ストーリーを考えてみると……ふむ!主人公は少年で、人を瞬間移動させる能力の持ち主。一方、ヒロインは戦闘に秀でた少女ってことにしようぜ!
桃 少年が瞬間移動能力を使い、少女を移動させて戦う話だね!
き そうそう!少年はここぞというタイミングで、重武装した少女を要所へ送り込むわけよ。例えば戦場のど真ん中とかね。
桃 うんうん!
き 悪魔のような強さを誇る少女が、突如送り込まれてくる!敵はびっくり仰天して総崩れ。少女は大暴れして、あっという間に勝負が決する!……こんな感じかなぁ?
青 そういうことなら、「瞬間移動能力は、2人の心が完全に重なった状態でしか発動しない」という設定を加えるといいと思う。
き おおっ!「シンクロ率100%以上の場合に限って、相手を移動させることができる」ってことか!
青 うん、そう。
き いいなぁ、それ!そしたら、少女の方は、プライドの高いツンデレちゃんってことにしようぜ!
青 少年に向かって、「あんたバカァ?もっと適切な場所に移動させなさいよね!」なんて言っちゃう子だね。
き そうそう!少年の方はマジメでちょっと頑固なタイプだから、2人は些細なことで衝突してばかり。でも、瞬間移動能力を使うには2人の心のシンクロ率を高める必要がある。そこで、嫌々ながらも共同生活を送ることになるってわけ!
青 盛り上がる展開だね。
き 時には、恋人のようにペアルックをしてみたりさ!
桃 えっと……。
き ん?どした、桃ちゃん。
桃 うん。私、それ、そっくりのアニメを知ってるなぁと思って……。
き おっ、それ、でじこじゃね?
桃 うん、「でじこ」じゃなくて「デジャブ」だよね。でじこは「デ・ジ・キャラット」のキャラだにょ。……しかもデジャブじゃないし。
き まぁまぁ!まだアイデア出しの段階だからさ!
桃 そっ、そうだね!
青 さらに、「移動には莫大なエネルギーを使うから、毎回1分間のインターバルが必要」という設定を付け加えると、よりドラマティックになるかもしれない。
き ほぉ。
青 例えば、こんな具合。少年はいつものように少女を戦場へ送り込むが……それは敵の罠だった!少女は敵に囲まれてしまう。さすがの少女も動揺して「はっ、早く呼び戻しなさいよー!!」。しかしインターバルを置かねば能力は使えない。「まっ、待ってよ!あと20秒!」「こっ、この役立たずー!死んだら化けて出るからね!!」なんてやりとりがあったりして。
き なるほどなるほどー!
青 少女は目からビームを放ったり、プログレッシブ・ナイフを振り回したりして、なんとか時間を稼ぎ、無事帰還する。
き ふむ。
青 帰還後、2人は口論になるけれど……その時、少女の腹がグーッと鳴る。
き いいねぇいいねぇ!お約束の展開だねぇ!
青 腹が減っては戦にならぬということで、2人はラーメン屋台へ。「にんにくラーメンチャーシュー抜き」を食べながら、少年が口を開く。「あの……今日はごめん」「えっ!?なっ、何よ!」「いや……僕の能力不足で危険な目に遭わせちゃったからさ。僕、明日からもっと頑張るよ」。しばしの沈黙の後、少女が口を開く。「……わよ」「えっ?何?」「あんたは悪くないわよって言ったの!私がもっと強くなればいいんだから!それだけ!」「いや、僕が……」「うるさい!私は天才なんだから、私が頑張ればいいのよ!」「そんな……たまには僕の言うことを聞いてくれたっていいだろ!」「なによ!私に逆らう気なの!?」と、再び口論が始まる。
桃 うーん……いろいろツッコむところはあった気がするんだけど、超王道って感じで……アハッ!いいねー!
き だよなぁ!やっぱ王道っていいわ!
---
心よ王道に戻れー!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます