私だって転生したい!(5)

・きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。


・桃ちゃん:いい子。


・青ちゃん:不思議ちゃん。


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前回までのあらすじ:「異世界転生ものに挑戦しようと思う!」ときぃちゃん。「どんな職業の人が転生すると面白くなるだろう?」と頭をひねる3人だが……!


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桃 職業……職業……どんな職業の人が転生すると面白くなるかなぁ……。


き あー……うー……きたきたぁ!ラノベの神、降臨!!


桃 おー!


き 指圧師ってどうかね、指圧師!


桃 指圧……マッサージをする人ってこと?


き そうそう!青ちゃん、どう思う?


青 グー。


桃 おーっ!青ちゃんが親指立ててる!それで、どんなお話になるの?


き んー……転生後、なんだかんだあって指圧の技術が認められる。そしてマッサージ店を開業するところから本編が始まるって感じかな。


桃 ふむふむ。


き 指圧の技術はバッチリ!でも、なにしろ異世界だからね。苦労は絶えないわけよ。


桃 苦労?


き 例えば……スライムがやって来てさ、「えっ……えっ!?どこを揉めと!?」とか。


桃 間違いなく戸惑うね、それ。あんまり力をこめると、なんかぶしゃってなりそうだし……。


き あるいは、オークが来てね。筋肉がぶ厚すぎてなかなか凝りがほぐれなかったり。


桃 確かに堅そう。


き しまいにはドラゴンまで来て、「おっ、お客さん!気持ちいいからって火吹くのは止めてぇー!燃える!!」なんて。


桃 面白―い!


き とまぁ、そんな感じでいろんなお客さんがやって来て……彼らの悩みを聞いたり、そこからちょっとしたトラブルを解決したりしていく話かな。


青 マンネリを防ぐために、時々イベントを挟むのがいいと思う。


き イベント?


青 国一番の指圧師を決める大会に参加するとか。


き なーる!いいね、それ!苦心の末、主人公は優勝するわけだね。で、王様から国家指圧師の称号を与えられ、さらに、王宮に仕えてほしいと依頼を受ける。


桃 おー!


き しかし主人公は爽やかに微笑んで、「とても名誉なことですけど……この親指はみんなの笑顔のために使いたいので」とサムズアップ。


桃 アハッ!主人公っぽーい!


青 「それ以来、主人公のマッサージ店に、ちょいちょい王様がお忍びでやって来るようになった」って展開だと私の好み。


き その案、いただき!


桃 こうやって考えてみると、指圧師さんってすごいねぇ。異世界でも大活躍だ!


き 本当になぁ!……ん。待てよ……バトル展開にもっていくのもアリだな。


桃 バトル!?


き うん、つまり……暴力がすべてを支配する世界。善良なる人びとは悪に怯えて暮らしていた。主人公は意を決する。彼に必要なのは、悪を打ち破る力である。やがて、指圧師ならではの知識に、異世界の魔術を組み合わせることで……暗殺拳が完成!それは、秘孔を突くことで人体を内部から破壊する恐ろしい拳法であった!!


桃 ……敵が「ひでぶっ!!」って言いながら破裂する拳法じゃないよね?


き イエース!よくわかったね。


桃 誰だってわかるよ!それ、バトルマンガの金字塔だよ!!最早古典といっても過言ではない名作だよ!!


き アハハ、冗談だよ。やっぱ、パクリはいけないね。


桃 パクリすぎてて、最早パクリにすらなってないよ……。


き えっ?ってことは逆にアリ?


桃 ナシだよ!!


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転生者「オレはもう死んでいる!!」

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