ハンティング・パーティ

@wakken

第1話 とある手記





神は決してその態度を変えない(マラキ3:6、へブル13:8)。


神は今日も、古代と同じくその罪を憎んでいる。

モレク崇拝は何千年ものあいだ生き延び、今日もなお世界中で広く行われている。






6月13日、ついに私はボヘミアの森へと足を踏み入れることを許可された。ここまでの道のりはいやはや長いものだったが、それらが全て昇華されたような思いである。

天候次第で多少のズレは生じるだろうが、3日後の早朝に出発する手はずだ。見るもの全てを目に焼き付ける、こんなチャンスがまた訪れるとはそうそう思えないから……。まだ早いけど今日はもう寝ることにする、体調を崩してしまっては慚愧に堪えないのでね。それでは。




6月17日、まだ私の頭は錯綜している。これを口外すると私が狩られてしまうのだろう。いや、すでに狩りは始まっているのだ。身を隠さねばならない、私はまだ死にたくはない。死にたくない。狩りは始まっているのだ。死にたくない。





6月19日、誰も信用してはならない。逃げるのだ、その”食欲“が満たされるまで。

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