第23話 パイロット
「おい。なんかこの飛行機傾いていないか?」
「……何を言っている」
「雄二。いくら初めての海外旅行だというに、ちと浮かれすぎではないかのお」
「いやいやいやいや! 確実に傾いているだろ! おい、パイロットはちゃんとやっているのか」
「……誰だ」
「は!? 明久のバカがいない。おい、もしかして」
「雄二。幾ら何でも、そんなことはないじゃろうって」
「ふひ〜。あれ、どうしたの皆? そんな怖い顔をして」
「おい明久、テメエ! 操縦はどうした!?」
「え。ええ!? 操縦って何言っているのさ。僕が操縦するわけないじゃん」
「は、はあ。そうだよな。スマン、俺がどうかしてたわ」
「だからそんなことはないと言ったではないか」
「だって、霧島さんが操縦してるんだから」
「「−えっ」」
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