学校嫌い
心が空っぽになったときは、知らない街に立ちます。
やり方は、まず電車に乗って、知らない名前の駅で降ります。
ここにいる人はみんな、私とは関係のない人で、駅を出て初めての景色を瞳に当てると、異界訪問の情が沸き立たれます。
そこからあてどもなく、家家のあいだを彷徨するのです。
ピンボールの毎日は、私のおさまるべき座標であって、そこではやるべき事のあるのですが、それは私にとっての現実で、それから逃れた今だけは、道に落ちてるぺしゃんこのペットボトルも、非日常の看板です。
たまにはこんな日のあっていい。
生きてる限り輪り続ける、心の環。からからになっても慣性で動いているので、たまには私が水に浸してやらなくてはなりません。ボウルに張った透明な塩水がいいでしょう。
歩き疲れたら、帰らなくてはなりません。
でも、その時には大体、
脚が鉄屑になっているぶん、
心は静かな火のようになって、
大丈夫になっていますから、
家に着くと伸びをして眠るのです。
明日誰かに謝って、それで一件落着ですから。
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