高原

巨きな樹の下で姫が眠っています

眠る[目を瞑って、スースー息をして。脳の中では異化された映像を見ているのでしょう。我々には知れません]

風が草を揺らします

赤い太陽がぐつぐつ煮えて

そこから漏れる形の無いものだけ

こちらの高原に届きます

太陽[表面は6000度あり、中心は1万度を超えます。その熱も光も中心で産まれますが、私たちに届くには100万年掛かります]

空気中には無数の見えない何かが

八角形に浮かんでいます

地面に落ちればバイオの胃液の

朽ちる寸前の酸に溶かされ

えもいわれぬ高熱を出しましょう

それは、祖母のしてくれた昔話の

悲しいエンディングを暗示するようで

そういった全ての善なるメタファーが

この世を構成してるように

そう思うようにしています

昔話[この種の物語は、西洋ではアイデンティティの確立や、信心深さの肯定を。東洋では性善的な心根や、自然の大いなる不可侵の力を]

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る