第38話 魔導忍者は進化した決戦兵器を身に纏う (前編)


『存在進化』直後に、調子に乗って過激な運動をしたため空腹感が半端ない雷蔵たち


さも自信作とばかりに、ミノタウルスバー改め、『えなじーばー いちご味』を一人ずつ配る26代目


折角の好意に笑顔がひきつる5人


色は、綺麗なピンク色だった


恐る恐る食べてみると・・・美味かった!


賢者の塔で栽培された、いちごをふんだんに使っており、ちょっとしたスウィーツばりのおいしさ


そして、滋養強壮効果が半端なく、上級体力回復剤並みの漲り感


主成分さえ知らなければもっとおいしく味わえただろう




きちんとした食事もございました


サラダにスープ


メインはブラック・ミノタウロスの肉だったが


実はこれも美味かった


デザートは、『賢者の塔』特産フルーツの盛り合わせ


食いしん坊キャラまっしぐらな、白玲とイデアは驚異の食欲を見せた


街での食事でなくてよかったと安堵する雷蔵だった




食事の最中


「皆様の『存在進化』に合わせ『魔導外骨格』のアップグレードも完了いたしました」


とバベルからの報告あり 


(そんなに早く出来るものなのなのか?)


実は、『魔導外骨格』のアップグレードは、『存在進化』による身体能力の強化度を予想してロードマップが作られ、予め部材が用意されている


後は、『存在進化』後の状態に合わせ、微調整するだけになっている


戦闘から得られるデータによって考案される新機能などは、新たに魔術回路を構築したり、製造する必要があるため時間がかかるが、冒険者パーティー『黒き塔』としての戦闘は、『試練の洞窟』攻略時のみの為、未だデータの蓄積中と言ったところである




そして、アップグレードには、『魔導外骨格』のリミッターの『一部解除』の意味合いが強い


つまり、『魔導外骨格』は、未だ本来の性能を発揮していない


なにせ、『機神』と言う神殺しの為の決戦兵器である


装着者の『存在進化』の段階が低い状態、つまり身体的強度が低いまま、リミッターを全開放した場合


『魔導外骨格』を装着し起動すると、その強烈な威力についていけず、『魔導骨格』はともかく生体部分が吹き飛んでしまう


「リミッターを20%まで開放しました」


「まだそこまでしか解放できないのか・・・」


雷蔵はそう言うが、神と互角に戦うには一度の『存在進化』では遠く及ばないのだ


「しかし『存在進化』が進めば、逆に『魔導外骨格』の性能が、進化した皆様についていけなくなる時がくるでしょう」


「その為に、現在も、駆動力、素材や構造的に強度を高める実験を繰り返しております」




「そのことで、一つご報告があります」


「なんだ?」


「マスターの『魔導骨格』と呼び『魔導外骨格』の耐久性能が、他の皆様より格段に高くなっているのです」


「特に『魔導骨格』に関しては、全く別の金属に変質していると言ってもいい状態です」


「『賢者の塔』のデータベースに照らし合わせましたが、合致する素材はありませんでした」


どうやら未知の金属に変化したようだ、ヒヒイロカネ?、ヴァ★リア鋼?はたまたヴィブ★ニウム?




「理由は分かるか?」


「どうも、『合力』の影響ぽいんだよねぇ」


26代目が代わりに説明しを始める


「ライゾーは合力を常に体内循環させてるよねぇ」


前世で、気の体内循環を一日中行ってきた雷蔵である


第1チャクラで練り上げた『合力』なら寝ていても循環させることが出来る


もはや呼吸をする感覚だ


そして、魔導忍法を使用しての戦闘継続能力を高めるために、元々『魔導骨格』にため込まれていた魔力も体内循環させ、代わりにできた『合力』を『魔導骨格』ため込んでいった


ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト製法や素材は違うが、これら魔法金属は、どれも強力な魔力を帯びることによって生じる


「つまり、『魔導骨格』の素材である魔法金属の合金に『合力』を蓄積させたから、より強固な金属へと変質したって可能性が高いんだよねぇ」




この報告を受けたその瞬間、全員率先して『合力』の体内循環及び、『魔導骨格』、『魔導外骨格』への蓄積が積極的に行われるようになった


ジャッジメント・レイ対策・・・ではなく打倒『機神』の為に




「じゃあ、食事が終わったらアップグレードされた『魔導外骨格』の性能試験をやるか?」


「「「「ジャッジメント・レイは無しの方向で!」」」」


「ええぇ!そうなんですかぁ・・・残念ですぅ」


残念そうなクリスさんであるが、アップグレードされた魔導外骨格が消滅する可能性がある




果たして進化した『魔導外骨格』の性能や如何に!?



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