煌夜の空
霜月 風雅
第1話 ネジ式積み木の城で。
「・・・・、」
埃の舞う中を歩き回る。
もう、誰もいない世界。
自分しかいなくなってどれくらいたったのか。
私が出て行けば全てが終わるんだわ。
けれど、出られない。
何も見えないから。目隠しされているから。
「勇牙、」
さらさらと黒い髪が走る度に、流れるようになびく。
「朱也、」
頬を次々、涙が伝う。流れ落ちて首筋を流れる汗と混ざる。
「倉魔、」
足元は真っ白な羽が溢れている。私の亡くした羽たち。
誰も映らない大きな大きな鏡。
そっと手を触れる。
「会いたい、会いたいわ。」
鏡の中に手を、入れた。
最後の砦に、火は灯った。
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