第5話 不思議の国のアリス~出会い~

アリス・クロシア 9歳


「アリス、勉強するから来なさい」

「はい、お兄様」


僕はお兄様と一緒に庭で勉強を始めた。


「‥‥‥‥」

勉強つまんないなぁ‥ん?


「ヤバい、ヤバい!急がないと!」


声のする方を見ると白いうさ耳と丸い尻尾が生えた男の子が走っていた。


えっ!ウサギ!!?


お兄様は、本に集中していて、僕のことに気づいてない。

このままいなくなっても気づかないだろう。


「待って!ウサギさん!」


ウサギさんに声をかけるけど、聞こえてないみたいだ。

僕もムキになって、ウサギさんを追いかける。

ウサギさんが木の根元の穴に入ったから僕も入ると

穴の先は深く、深く、真っ暗で地面すら見えない。

落ちていく…。


「いた‥くない‥‥?」

「うぅ‥」

「わぁ!ウサギさん!ごめんなさい!!」


僕が落ちたところは、どうやらウサギさんの上だったみたい。


「いいよ。大丈夫だから。君は、どうしたの?」


ウサギさんは砂埃を払いながら聞いてくる。


「ウサギさんについてきたんです」

「え!?僕に!?危ないよ!今すぐ帰った方がいいよ!」

「でも、帰り方わかんない‥」

「あー、そうか‥じゃあ、僕にちゃんとついて来てね!」

「うん!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る