春が死んで、紫陽花が笑った日の話

木奈子。

第1話

さかをやっとくだりきった時、元ともだちが見えた

笑っていた

今の大好きなともだちと一緒に


気まずかった

逃げ出したかった

悲しくなった

泣きたくなった

わかんなかった

目の前で死んでみたかった

うざったるかった


急いで離れた

笑い声がえんえんと、頭の奥の脳の裏側で、反響しあってる


口を横に広げて、いひっとわらってみせる


またさかをのぼりはじめることになった


木陰で、

いちばんながいゆびを天に向けてみた


世界が、軽くなった気がした

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春が死んで、紫陽花が笑った日の話 木奈子。 @kinakooo3

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