篠宮

第1話

声が聞こえた。


なんて言ったかは分からない。


ただ、優しい声だった。


包み込まれる様な…優しい声。




忘れることが出来なかった。


忘れたくなかった。


声の主を探し続けた。


暗闇を彷徨い続けた。


見つからないと思った。


逢うことすら叶わないと思っていた。


やっと見つけた。



…嗚呼、君は僕よりこんなに上に居たんだね。

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