第6.5話
1日目
「雄二さん! デートに行きましょう」
意識が朦朧とする中、微かに、そう聞こえた。
重い瞼をゆっくりと開くと、そこには仮想通貨で買った彼女・・・そう遥華がいた。
あたりを見渡すと、まだ薄暗く、とてもデートに行ける時間ではなかった。
「あと一時間寝かしてくれ。そしたらデートに行くから」
そう言って、俺は布団に潜ろうとしたら・・・
「ダメですよ! 今から行かないと間に合いませんよ」
間に合わない? 一体どこへ行くと言うのだ。
「遥華、どこに行くつもりなんだ?」
「小豆島です!」
遡る事6時間前
「なぁ、遥華」
「何ですか? 雄二さん」
「明日、遥華の行きたい所に連れて行ってやるよ」
意外だったのか、遥華の顔は驚きと喜びが混じったなんとも言えない顔になっていた。
「あ・・・う、嬉しいです! でも、突然どうしたんですか?」
「いや、そんな深い意味はないんだが」
「要するに、もっと楽しめって事ですね!」
「あ、ああ」
すると、何かに気づいたのか、こちらに駆け寄ってきた。
「でも、私あまり場所とか知らなくと、どうすれば」
「そうだよね。でも、これを使えば、いいよ」
そう言って出してきたのはパソコンだった。
だが、遥華はキョトンとしていた。
やっぱり、パソコンも知らないのか。
そのため、約40分ぐらいかけてパソコンがどう言う物かを説明し、検索の仕方やアドバイスを20分、計一時間かけて説明をしていた。
それからと言うもの遥華は、まるで自分の世界にでも入ったかのように、必死に明日のデートスポットを検索していた。
気長に待っていようと思い、ベットで横になっていたのたが・・・
「さぁ、行きましょう! 小豆島へ」
そんなこんなで、東京・羽田空港〜高松空港まで、約一時間15分がかりで到着。
「雄二さん!すごいオリーブの数ですよ!」
そんな目をキラキラ光らせながら、話しかけている遥華とは裏腹に、俺はある事を思っていた。
小豆島、何にもねー、と。
ごめんなさい。小豆島のみなさん。でも本当なんです。こんな所でどうやってデートしろって言うんだ。
「あっ、見てください。あそこに何か乗り物みたいな物がありますよ!」
目線は遥華が差した物へと移った。
それはゴンドラだった。
本当に何も知らないんだな。
「あれはゴンドラって言って山を登ったり、降ったりするんだよ」
「雄二さん! ゴンドラ乗りましょう!」
そうだよな。せっかくのデートだ。楽しまないとな。
「ああ、乗ろう」
ゴンドラは一人往復で2500Vmする。まぁ、遥華も楽しんでるみたいだし、この際お金の事は気にするな。
中に入ると、山の景色が広がっていた。
出発すると、アナウンスが流れ、この辺の山や景色について説明をしてくれた。
あっという間、半分が終わり、次に便まで少し時間があると言われ、その辺をぶらつく事にした。
途中、小豆島のオリーブを使ったハンバーガーを見つけ、それを二人で食べた。
時間はあっと言うまで、次の便が来ていた。
「すみません。乗ります」
何とかギリギリ乗ることが出来た。
「雄二さん」
「どうしたの?」
「あの、今日はありがとうございました」
「どうしたんだよ、急に」
「だって、急にこんな所までついて来ていただいて、その、なんか」
「良いよ。俺は好きで今ここにいるんだから」
「雄二さん・・・」
こうして長い1日が終わった。
2日目
「雄二さん!デートに行きましょう!今日は沖縄ですよ!」
「えっ?」
3日目
「雄二さん!デートに行きましょう!今日は・・・」以下略
5日目
「雄二さん!デートに・・・」以下略
10日目
「雄二さん!・・・」以下略
20日目
以下略
30日目
以下略
そして、俺は・・・・・・
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