呪いでカエル王子になりましたが、姫君をお助けします。というか、助けられてます!

清泉 四季

プロローグ

『貴女は絶対に騙される』 ―― 『私は絶対に騙されたりはしない』


『貴女はきっと迷う』 ―― 『私は絶対に迷わない』


『貴女は多分たどり着けない』 ―― 『私は必ずたどり着く』


『僕はおそらく手に入れることはできない』

               ―― 『私は何としても手に入れてみせる』


『僕は貴女が騙されてもがっかりしない。もう何人ものひとが、あいつに騙されているから。それを僕にはどうすることもできないのだから…。』



 僕は魔王の呪いによって王子からカエルの姿にされてしまった。

 もう何年前のことかも定かではない。

 呪いを解く方法は一つ。

 真実の愛により、王女がカエルの僕を選んで口づけをしてくれる。

 そして、僕が王女の手に口づけを返すこと。

 王女がカエルに口づけをするなんて、そんな上手くいくわけないと思っていた。

 しかし、案外何かに導かれたように時折王女が現れるのだが…。

 魔王は姑息にも僕の他にもカエルの偽物ダミーを何匹も仕込んでいったのだ。

 あいつらは金髪碧眼の、優しげな、あるいは勇敢な、あるいは知的な、その王女の好みに化けることのできる優秀な偽物だ。

 今までこの沼に来たすべての王女達は、偽物に騙されて去っていってしまった。

 今回も多分そうだろう。


『貴女は絶対に騙される』『僕は決して手に入れることはできない』


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