第241話


地の神獣ベヒモスをイメージして作りだされた魔物がベヒーモス。

空の神獣ジズをモデルに作られた魔物はコカトリスやコッコ。

海の神獣レヴィアタンは魔物大海蛇リヴァイアサンのモデルだ。

……どれもこれも、全然似ていない。

元々、魔物は神以外のものが神獣をイメージして作り出した生き物だと言われている。『神が作ったもの』を神以外が作り出せると思ったのだろうか。ちなみにこの世界の『召喚獣』は神獣だ。ただ、いつも召喚に応じてもらえるわけではないため、『いつでも召喚に応じる神獣モドキ』をつくりだそうとしたのだ。


「ねえ……この考え方ってじゃない?」

「バカは進化しないんだとわかったな」

「バカは生まれ変わってもバカなんだな」

「バカの遺伝子は書き換えられず不滅なんだな」

「バカの血はときが流れて世代交代しても薄まらないんだな」

「バカの血はときが流れて世代交代する度に濃くなるんだな」

「結論、バカはどこまでいってもバカのまま」

「「「違いねぇ!!!」」」


公開檻の中を見ながら笑いあう冒険者や商人たち。

ここは屋台村の横の広場に扇型で置かれた檻の前。人気は神獣の入った公開檻。小さくなっているため愛らしい。それをいいことに、ダイバたちが人々を集めて『もっともらしい話』をしている。


「いいかー? 見た通り、神獣は心優しい生き物だ。王都から来た子供たちは知ってると思うが、凶暴な姿を見せたのは無理矢理命令に従わせられたからだ。自分たちで考えてみろよ。首輪をつけられて、無理矢理いうことを聞かせられたらどう思う? 朝から晩まで「勉強しろー」と言われて、トイレ以外ずっとイスに縛られて、勉強が頭に入っていないから食事抜き。その翌日もお腹を空かせて勉強をさせられて、それでも勉強が進んでいないからと言って食事を抜かれたり……」

「いやに生々しいなぁ」

「そりゃあ、そうだろ。ダイバが小さい頃は遊びを優先にするから、逃げないように括られていたんだ」

「じゃあ、実体験なんだ。そりゃあ、生々しいのも納得……」


ダイバの話を少し離れてシーズルと聞いていたが、子供たちにはわかりやすかったらしく表情が百面相のようにクルクルと変わっていく。


「……というわけだ。自分がされていやなことを他の奴に平気でしている奴はいないか〜? 相手が小さいとか弱いとかバカにしている奴はいないか〜? そんな奴は弱そうな相手や大人しそうな相手に一撃でノックアウトさせられるぞ」

「ありゃ、冒険者心得に結びついたな」


シーズルのいう通り、冒険者にとって油断は大敵だ。もちろん、職人にも商人にも当てはまる。相手が素材であれ人間であれ見下しているあまくみると痛いをくらうのだ。

このダンジョン都市シティでは、私に対して見下した態度を繰り返したのちに訪れるしっぺ返しの数々を目の当たりにしたことで、大人も子供も十分理解している。

国王たち王族や貴族の男性たちは神の罰を受けて、現在外周部の男娼館に入っている。王都の結界が解ける三ヶ月後まではそこで罰を受けられる。女性たちは、頭に花を咲かせている。三ヶ月で実が成るかは不明。

ただ、妖精たちの話では神の気まぐれらしく、神獣たちが使役を受けた期間は罪を償わせるつもりらしい。


「それってどれくらい?」

《 だいたい二百三十年くらいかな? 》

「彼らをそれまで不死で?」

《 うーん……。どうだろ? 》

《 そこまで考えてないんじゃないかな? 》

《 聖魔士と聖魔士くずれは不死で罰を受けると思うよ 》


…………ご愁傷さま自業自得です。

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