第166話
ダイバとアゴールを
もちろん、同行を拒否しても良いが、アウミを狙っていた連中は「ここで疑われるわけにはいかない」と思ったようだ。後ろ暗いことがなければ堂々とついて行く。そう思って大人しくついて行った。だいたい、イベント前の取り締まりであって、自分たちの『本来の目的』がバレるとは考えていなかった。
実はそこに、一つの目印があった。妖精たちが男たちの頭部に座っていたのだ。そのため『頭部が光っている男たち』を中心に集めていったのだ。彼らには、妖精たちが別の記憶を植え付けた。
「豪商が購入した少女はダンジョン都市には来ていない」
実際、荷物として隠されて入っていたため、門を通った記録はない。
そして、彼らをピピンが纏めて飲み込んだ。数分後に吐き出された彼らは善良な人間となっていた。彼らは犯罪ギルドでは捜索部隊に入っていたため、情報などを集める部署にいた。しかし、自分の情報でたくさんの孤児をはじめとした人たちを人身売買にかけて奴隷にしてきたことに深く後悔した。
「すべてお話しします」
そう言って、彼らは自身の知る犯罪ギルドの情報を自供した。そして、知り得る限りの顧客情報も自供し、顧客リストを持つ者は提供した。その中には貴族だけでなく、国の中枢に立つ要人……王族までいた。運が良かったのは、このダンジョン
「なんで顧客リストなんか持ってんのよ」
「ああ。どの顧客がどんな
「そこには、年齢や容姿の希望、成功報酬まで書かれていました。一番多い要望は、
アゴールの追加情報にカチンときた。
「……私の捕獲? 私って珍獣扱い?」
「たしかに珍しいですね。現在、この大陸には存在がわかっているだけでも一名。エミリアさんだけです」
「あれ? もう二人いなかった?」
「お一人は先日、無事に天寿をまっとうされました。もう一人は別の大陸に渡られました。バカな国のバカな国王が彼を手に入れようとして、船の使用を禁じたそうですよ」
「……禁じても、あの人って水の妖精がいるんだから、普通に水面を馬車でいけるよ? 風の妖精もいるんだから、馬車ごと飛んで運んでくれるし」
「はい。あっさり空を飛んで行ったそうです」
「あ〜あ。さらに妖精たちに捨てられたー」
そう笑ったが、そんな甘いものではない。この大陸には私以外に
「……エミリア。
「わかってる。ダイバたちは夕方からイベントなんだから無理しないで。こっちはイベントを回ったら家にいるから」
「エミリアさん。今回から毎日、最初の二時間はここの住人向け限定になっています。ですから、エミリアさんも毎日参加してお楽しみください」
「ありがとう。じゃあ、毎日回らせてもらうよ」
「コレが上手くいけば、定着させられるだろう。エミリアもこの都市の仲間なんだ。一緒に楽しもうぜ」
「そうだね。じゃあ、また夕方に」
私たちが一緒に楽しめるように。
そう、気を使ってくれるダイバたちに感謝して、イベント期間中は何も気にせずに楽しく過ごさせてもらった。
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