第143話
「今回の因縁をつけられた件の罰則は?」
「・・・そうだな。『貴族の権力と
「しかし、隊長。それでは
「あー・・・。たしかにそれもあるな」
「いや。大丈夫じゃないか?ただでさえ
「・・・元はと言えば、貴様が何か細工をしたせいだ!貴族に歯向かって生きていけると思っているのか!殺してやる!殺してやる!今すぐにぶっ殺してやる!!」
《 エミリアに手を出すな! 》
叫んだ男は
・・・だから、此処は詰め所なんですが?
結界に阻まれたから迷惑行為だけど未遂ってことで「謝罪するなら刑を軽くするよー」ってことで私が呼び出されたんだけど。謝罪する気がないなら、もう帰ってもいいかな?入浴ボムを作りたいんだよね。
《 エミリアー!光たちが王都に報復しに行っちゃったー! 》
「え!ウソ・・・」
《 ホントだよー。ボクだって報復しに行きたかったのに。・・・あれ?ひい、ふう、みい、よお、いつ、むう。・・・6人いる。じゃあ、ボクも行ってくるー! 》
「キャー!ダメェー!・・・って、どーすんのよぉ~!」
しゃがんだ私に周りが慌てる。私の心配半分。そして・・・。
「妖精たちが、何か・・・?」
「・・・・・・王都を襲いに行った」
「「「 エェェェェェ!!!」」」
「『報復』だって。その人は罪人なのに殴りかかってきたでしょう?あの人たちは睨んできたし。・・・だから『反省の色なし』って判断してたんだけど。さっきのことで怒っちゃったみたい」
「・・・自業自得、と言ってもいいでしょう。だいたい『
守備隊の人たちが同意しているが、私は妖精たちが帰って来るまで心配で仕方がなかった。
妖精たちが清々しい笑顔で帰って来たのは、地の妖精が先に行った妖精たちを追いかけて行ってから3分もしなかった。
《 大丈夫だよ~。『人を傷付けない』って約束は守ったから 》
《 約束は破ってない。でも『ただでは許さない』から 》
「・・・・・・何をして来たの?」
《 王都内すべての建物を砂にして来た。もちろんお城も砂にして来た 》
《 私は、その砂を風で吹き飛ばして来た。砂鉄とか、使えそうな素材は地の子が集めて来たから 》
《 帰ったら収納カバンに移しておくね 》
《 私は地面に雷を落として来たよ。エミリアが言ってたでしょ?『雷を落とすと地面がびっくりして植物が成長しやすい』って。だから実験して来た 》
《 私は・・・みんなが終わってから、地面を水で覆って来たの。植物も地面も水がなくてカラカラだったから、すぐに地面に吸い込まれちゃったよ 》
水と光の妖精の順序が逆だったら、どれだけの人たちが感電してただろう。・・・全員が感電したと考えたら、何割の人が感電死してたのだろう。
《 私はね。眠ったら『イヤな夢』を見るようにしたの。今のままなら滅ぶって危機感が必要だと思ったから 》
《 私は、アイツらの関係者全員と王族の髪の毛を焼き払って来た。・・・本当は女の人の髪の毛は焼かないようにしようかと思ったけど 》
《 泣いてる侍女の髪の毛を掴んで廊下を歩いているの見たら許せなくなったんだよね 》
《 うん。「許してください」って泣いてる人に「泣けば許されると思ってるのか」って。「適当な理由をつけて皆殺しにしてもいいんだぞ」って、笑いながら窓から突き落とそうとしてたの 》
「・・・なに?そのクズ」
《 でしょ?それがね。今度の休みにエミリアの作った商品を買いに行くらしいってウワサを聞いて、嫉妬から「死んだら買えないわよねー」って笑って言ってたんだよ 》
《それにね。その話って
《 そうそう。だから女でも許すのやめたんだ 》
《 ウソ
この時の王都からの報告を守備隊から受けた時に『傷付けない』という約束をしておいて良かったと思いました。
ちゃんと傷付けていないそうですよ。ですが、城の中にあった『国宝やその他のものすべて』は砂になったのか何も残っていないそうです。貴族院の戸籍簿など、大事なものは残っていたようです。
でも不思議ですね〜。あの騒動の後、『見覚えのない素材』や解体待ちの宝石がついた悪趣味な装備品が増えたようなんです。書物も覚えがないものばかりで・・・。
気のせいでしょうね。当時は謝罪で色々貰ったから、覚えていないだけでしょう。
ちなみに「悪夢を見ているそうですよ」と聞かされた時に「滅多に怒らない子を怒らせちゃったからねえ」って答えた。どうやら、遠回しに「悪夢を止めて欲しいと言われたが?」と言われて「止める気はないよ」と答えたことになっています。
そのため、今でも毎晩『イヤな夢』を見ているらしい。
《 誰も反省してエミリアに「ごめんなさい」って言いに来ないもん。だから許さないもん 》
暗の妖精は、こういう所はガンコです。
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