第653話
『誕生! 無冠の魔帝!』
激闘の果てに魔帝クレマン・デュアメルを下した天良寺才さん(16才)と、契約者のコロナさん(推定20才)。
途中不幸な事故により天良寺才さんは負傷してしまうが見事契約者のコロナさんがカバー。大事には至らず、最後は圧倒的な力の差を見せ――
「いやもう良いから」
「気に入らんか? じゃあ――」
『超新星現る!』
魔帝の中でもトップクラスの実力者に勝利したのはまだ高校一年生の天良寺才とその契約者コロナちゃん!
まだ高一でありながら危険なところに身をおくのはすごく勇気のあることだと思うんですが、やはり注目すべきはコロナちゃんですよね皆さん。
ほんともう。あの強さは異常ですよ。魔法師としての才能もガチャみたいなものですけど、あんなのを見ると召喚魔法師も契約者ガチャがあるって思っちゃいますって。
いや~私も召喚魔法師目指そうかな? それだけで契約者ガチャ引けるならやってみるのも――
「だからもう良いって」
「ふむ。では――」
『全破壊天使コロナちゃん』
天才美少女天使舞い降りた。
正直男のほうはどうでも良いけど。いや良くない。あんな可愛くて背ちっちゃいのにおっぱい大きくて守ってくれて舌足らずでおっぱい大きい子が契約者とか。ふざけんなよクソガキ。俺に寄越せ。
こんなガキのなにが良いんだと。なんで契約したのかと。当方調べました。調べたらばよ。なんだよこのガキ。他にも美少女系契約者がいるんだわ。
コロナちゃんは合法ロリ巨乳で。他の動画見るとまったりした顔して甘えてるのに、あの試合の時だけキリリとしてアグレッシブでワイルドに襲いかかっててギャップの
で、他の契約者だったか。まずはリリンちゃんよ。
見た目は結構な正統派ロリなんだけど。登録プロフ見たら推定二百歳なんだと。……ババア。結婚してくれ。
顔もSっ気があって仕草は大人っぽくて。でも小さくて。手足はスラッとしてるからちんちくりんに見えなくて。あーあと時々すんごい楽しそうに笑いながら出血してたりさ。狂気的だったわ。でもそれが良いそこが良い。怪我してもすぐ治ったりして完全に人外だったわ。コロナちゃんと比較すると天使に対して小悪魔って感じだわ。うん。跨がるかふみふみとかしてほしい。できれば唾かけられたい。または痰吐いてくれ。……うっ。
最後はロゥテシアちゃん。
もう正統派ダイナマイト。ぶるんぶるんですね。しかも犬の姿もあると。俺とわんわんしませんか?
見た目は大人のお姉さんでさ。包容力もあってさ。背も俺より高ぇしさ。甘えさせてほしいよママ。超ばぶばぶしてぇ。よしよしされてぇ~。
よしよしされながらちゅぱちゅぱしながらの……うっ――
「だから、調子乗るからもう良いんだって。てか最後の記事なんだよ。なんでそれ選んだ? しかも長ぇし。それによ、なんで『……うっ。』のとこ本意気なんだよ。ちゃんと気持ち悪いのやめろ」
「クハハハー」
笑ってんじゃねぇ。指差すな。
「ふふん♪」
言わんこっちゃない。
コロナお前、胸張ってんじゃねぇぞ。最後の聞かされてなに誇らしくなってんだ。バカ。
「にしても、やはりというかなんというか。他のを見てみると大分召喚魔法師の評価が上がってるぞ。ま、お前は大体半分くらい貶されてるが」
「だろうよ」
だって俺ほとんどなにもしてねぇし。召喚魔法師の評価上がったのもただし強い契約者が引けたらに限るってやつだし。
一応召喚魔法師として魔帝を倒したのは事実だから色々と待遇の見直しの余地ありってなってるだけだからな。
「まぁ、来年度からは大きく変わるだろうから。再評価はそのときにまた起こる。紅緒もその為に動いてるしな」
「最近特に学園長と仲良いよな、お前」
頻繁に連絡取ってるし。年末あたりかな? そっからめちゃくちゃやり取り多くなった気がするわ。しかも色々と聞いてるみたいだし。
……二年生からなにがあんの?
「いずれわかる。まだ我とて連絡待ちだしな。今は……フム。愛を受け取っておくと良い」
「はぁん?」
リリンが愛だと? え、お前にそんな心が残ってるんけ? 片腹痛ぇんだけど。
「なにを勘違いしてるかは想像に易いが、アレだアレ」
どれ……って後ろか。なんだよ。やけに甘ったるい匂いを纏ったロッテが近づいてるのはわかるけど――。
「なにそれ?」
「ふふ。なんだと思う?」
いやわかんねぇから聞いてんだよ。
やったらデケェ変な形のチョコの塊ってことだけだよ俺にわかんのは。
「これはな。ロールケーキだ」
「はぁ?」
それにしては全体的チョコでデロデロになったるし、なんかど真ん中貫かれてるけど。
「大きなロールケーキをチョコでコーティングしたんだ」
「その貫通してるのは?」
「骨。マンガ肉型チョコロールケーキ。どうだ? 美味そうだろう?」
「あ、うん。凄いとは思うけど。なぜそうなった?」
「最初はちょこを骨やらお肉やらの形にするだけにしよ思ってたらしいんやけどな? 試す内に物足りひんくなってんて」
補足ありがとうよカナラ。そういう経緯があっての。
「それで、これ?」
「あぁ!」
鼻高々だな。よっぽどの自信作なんだな。
「ところでそれ何キロあんの?」
「ん~……十キロ……? くらい? かなぁ?」
「皿は?」
「抜きで」
「デケェなぁおい」
カロリー爆弾にもほどがあんだろうが。誰が食うんだよそれ~。
「バレンタインだからな。ほら、遠慮せず食え」
俺かぁ~。俺、普段胃袋は人間並みだぜ? 食おうと思えば食える……って。
「「…………?」」
食いしん坊と甘党がいるじゃん。あいつらに任せて俺は一人前で良いかな。
「で、カナラのは……なんか形は凝ってんね」
なんてーの? 市販の上だけ波みたいになってるようなさ。形が整えられたやつ。あんな感じで手作り感がなくて高級そうなんだよね。うん美味そうだよ見た目はさ。すんごい美味そうなんだけど。
ただ。ただよ。
「なんか酒臭いんだけど。なに入れてんの?」
「
「バカじゃねぇの? 俺未成年だぞ?」
しかもなんでスピリタス足しちゃうんだよ。度数上がるじゃねぇか。桃だけだったらわんちゃんいけたぞ。
いやまぁ、そもそも酒飲んでも健康上は問題ないだろうけどさ。気持ち的に嫌なんだよ。どうしても。小心者なんで。
「は……っ!?」
しかも今気づいたみたいな面しやがって。このおばあちゃんが。
「なんだ? そんなに気になるのか?」
「んあ? おん」
「それじゃあ……あむ」
「あ~!」
……おい待て。なぜカナラのチョコを口に入れる。
「ん~ん~。ちゅっちゅっ」
何故噛まずに中身を吸う?
「れろれろ」
最後にへばりついたアルコールを取りましてと?
「ほあ」
「ほら……じゃねぇよ」
やっぱりじゃねぇか。
その……なんだ?
ウインナーの皮が噛みきれない子供のために先に皮を食べてからあげるみたいな。
違うのは恐らくこいつは口移ししかするつもりないってことだな。ふざけんなよスケベ野郎。
せめてカナラならわかるぞ? なんでお前なんだよ。
「……めしはがれ?」
「私をってか? バレンタインチョコは私ですっか? 超やかましいんだけど」
「うるはいらぁ~。いーはらくえ」
「んむ」
……まぁ、結局いただくんだけども。
「……な、ならうちも」
「………………はいはい」
あー……やたら濃厚な……。しかもなんかリリンに比べてねっとり……って、こいつの唾液か。
「……はぁ。じゃあもう終わり? か?」
「いんや。まだ残ってるだろ。コロナが」
「あ、そっか」
そういや前に目の前で食ってたわ。今度は俺の分もあるのね……って。
「ん~~~~~♪」
「……なんでお前口パンパンなの?」
片頬に俺の拳三つ分くらい入ってない? ねぇ?
「ん~♪」
「はいどーぞじゃねぇわ」
「ほらー待ってるぞー」
「煽んなバカ」
「二回も三回も変わらんだろ」
「いやそうだとしてもコロナ相手は……」
「嫌なのか?」
「!(||´◎")¬("◎`;)!?」
なんちゅー顔してんだよ。
目真ん丸で眉間にしわ寄せて口パンパンにして端からチョコプリン垂らしやがって。
そんな顔したってなぁ。俺は――。
「……おい、リリンさんや」
「ん?」
「なにゆえ羽交い締めにするんだい?」
「往生際が悪いから?」
「なんでお前積極的にコロナをサポートしんだよ」
「なーに。面白いモノを見せてもらったからな。褒美をやらんと」
「だからって」
「そら、やれ」
「んー!」
「ちょ、ま――んむぅ!」
う、うぉおおお!? 来る! 来てる! ジョボジョボ来てる!
パンパンの
……とろけるくらい甘いキスってあるけど、文字通りくっそ甘ったるいぞこれぇ! お前ぇ、どんだけ砂糖いれたぁ!?
「んむぅぅぅぅ……――じゅっぱ! ごちそーしゃま」
「…………おそまつさま」
普通逆じゃねぇかなぁ? なんかちげぇよな? 俺、間違ってねぇよな?
にしても、これでロッテ以外とそういう関係に……。
コロナにだけは手を出すつもりなかったけど、むしろ奪われちまったよ。汚されてしまった……うぇーん。
「悲しそうだな?」
「……いや、別に」
「まあ、なんだ。これでも食って元気だせ。自信作なんだ」
「……おう」
ロッテのケーキ……うめぇなぁ……。ちゃんとうめぇよ。あ、苺もはいってんだ? 歯応えがしっかり目で酸味も強めだわ。良いアクセント。
なんつーか。最初のインパクト凄かったけど、結局一番まともだよなやっぱ。
落ち着くわ。ロッテ。
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