第594話
当たり前っちゃ当たり前なんだけど。当然ながら彼の就職の世話をしたのは雪日ちゃん。
下手な場所に就職されると監視ができないからね。それは困るわけよ。
仕事場で上手く行かず病まれても困る。他の女に現を抜かされるのも困る。なんなら定時上がりや人付き合いが必要や時点で困る。飲みいって帰りが遅れるとかね。
そういうのができるだけない仕事で資格とかも特にない職場。
雪日ちゃん一生懸命探しました。
見つかりましたよ。
その職種というのが、和宮内系列の会社だけに向かう清掃作業員。もちろん正社員ね。
決まった時間に決まった業務をやって帰れるから都合が良い。
さらに人との関わりは少ないし、若い女もほぼいない。いたとしても男にちょっかいかけるタイプの女はほぼ選ばない職種。なにより和宮内系列だから監視もしやすい。
さらにこれはついでなんだけど。清掃業とかって腰壊しやすいからあわよくばそのままリタイアして彼女に世話してもらうってことも考えられるからね。ずっと一緒にいる口実ってやつ。
んで、普通の人は清掃業って……言っちゃ悪いけど避けるじゃない? 若いと特に。
簡単に言えば見下されやすい。若い男がやってたら特に。
そんな職にしかつけない底辺ってね。同級生がやってたら縁を切る人も多くなくともいはしそうだよね。
でも彼は人間関係構築が苦手で友人は少ないし、どーでもいい部分だね。そもそも和宮内系列の傘下でなく直系の企業ならどんなに小さくともバカにはできないけどさ。知っていればだけれど。
というか、バカにできるような仕事任されてないし。
清掃業ってことは色々なとこにいけるわけ。それで気にする人もいないわけ。
つまり、わる~いお話してても、たまたま清掃作業員がいても気にせず続けるバカもいるわけよ。
それをたまたま聞いて、たまたまお偉いさんに話して、たまたま処分ってことも……ね。
だからそのうち彼もその手の仕事するかもしれないね。ま、そういった仕事もやるのはさすがにもうちょっと上の役職につかないとダメだけど。あとなにより彼女の許可ね。取らないとさせてくれやしないさ。
……取らせてくれなさそう。
ってことで彼はこれから和宮内系列の清掃員として働くってことで。
あ、ちなみにちゃんと免許も取ってるからね。仕事に必要だから。
というか取らされた。雪日ちゃんに。彼女とヤることヤって家に帰ってからの少ない時間を使ってのお勉強をしてたのさ。
ついでに仕事のこともある程度先に聞いてる。
なので、仕事そのもの……には困らなかったんだけど。
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