第336話

「とりあえずこんなもんかな? 休憩挟んでまた再開ってことで♪」

「「「……」」」

 ネスさんが呼び掛けても返答はあらず。契約者含め全員おねんねっと。

 まぁそうなるだろうなって予想はあったよ。あったけど。

「……」

 夕美斗よ。お前……。お前はなんで……。

 あぁやっぱ良いや。呆れかけたけど、こいつは前のとはまた違ったことされてたし。それが負担になっただけだろう。

「ふふ。気になるかい?」

「まぁ」

 例のごとく読まれたか。もう驚かんぞ。

「説明したいならどうぞ」

「ではお言葉に甘えて。って言っても彼女にはちょっとばかしセーフティかけただけで特別なことはしてないんだよね。だから説明と言われるとそれで終わりになるんだが。理由も聞くかい?」

「……一応」

「彼女。髪の色変わったでしょう? あれ、存在の格というか質というか? そういうのが一定の水準満たされると起こるんだよね」

「ストレスかなんかッスか?」

「あっはは! だったらどれだけマシだろうね!? っていうか? 坊やも似たようなことになってるんだよ?」

「え?」

 思わぬ言葉に一瞬疑問符が浮かんだが、すぐにかき消える。

 理由は単純。心当たりがすぐ側にいるからだ。

「……リリンか」

「いえ~す。彼女の存在を取り込んだとき君の色素一気に減った。紫外線等から守るためのモノで影響を受けないなら不要と肉体が切り捨てたというのもあるが。なにより格が上がるとなぜか白に寄るらしいんだよ。理由は……」

 そんな深いお話だったのか。

 で、重要な話だからもったいつけるのはわかるんだけど。俺、このあとやることあるんでさっさと続きをどうぞ。

「……」

「……?」

「……」

「理由は……?」

「あ~……。わかりゃん」

 なんだよ。じゃあもったいつけんなよ。

「はぁ……。とりあえずそんなルール? が、あるんすね。はいはい。わかり申した」

「解明したらいち早く知らせよう」

「うぃーっす。……っと、本格的にあとは任せますよ。待ち人が来たみたいなんで」

 直後。空間が歪みゲートが出現。出てきたのは。

「すまんな。少しばかり白熱してた」

 ゲームをやってて遅れたリリン。今日はなんとこのあとリリンと二人きりなんだわ。

「では、行くか」

「おう」

「はいよ~。迎えは明後日の夕方に頼むよ」

「俺がこれなかったらこいつが来るんで」

「勝手に決めるなよ」

「万が一があるだろ?」

「……兆が一もなくないか?」

 それがあるんだよ。億が一俺があの男に負ける要素が。

 ま、それもこれも。これから手伝ってもらうことでお前は理解するよ。

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