第277話

 もう数日は子供のままかと思いきや思ったより早く戻ってしまい。人前で股間を晒すという我が生涯において最高さいていの恥さらし。

 文字通り恥部を晒しているので恥さらし。ははっ。つまらねぇ。

 それよりもなぜ予定より早く戻ったかだよな。

 あれだろうか? 伊鶴に対してのこの溢れんばかりの気持ちがマナの昂りに変わってちょっと強めにもらしちゃったからとか?

 もしそうなら最初っから全力でマナ垂れ流せば良かったわ。絶対リリン喘ぎ散らかすけど。

「はぁ~……ごっちゃあ~。食った食った~……。やっぱえんちゃんの料理すげぇわぁ~。嫁に来ない?」

「ふふ。お粗末様。でも下ごしらえはしたけどほとんどろぅちゃんがやってくれたんよぉ~」

「なぬ? ロゥテシアちゃん結婚しよう」

「手当たり次第はちょっと」

「うぇ~ん! フラれたぁ! こうなったらコロナちゃん!」

「にゃーにゃー。あ~」

「一人で食え一人で」

「やぁ!」

「……リリンちゃん!」

「おい鬼畜生。おかわり」

「はいはい。そらかまへんけど。その呼び方はただの悪口ちゃう……?」

「細かい事を気にするんじゃない。良いから寄越せ」

「もう……」

「……うわぁん! タミー! やっちゃん! ゆみちゃん! ミケちん! さっちゃん! 皆相手にしてくんねぇよ! 慰めてくれよぉ!」

「あ、そう」

「仕方ないんじゃないですかー」

「きっと良い人が現れるさ。……そのうち。……たぶん」

「少なくとも望み薄だから潔く諦めたほうが良いと思うなぁー」

「おいコロナ」

「皆もなんか冷たくない!? 構えよ!」  

 と、まぁ普通に食事を済ませた者と食事中の者とバカを適当にあしらう者がいる中。実は全員の共通認識として結構気を使ってとある話題に触れないようにしている。

 なぜってそりゃあ……。口にしたら変な空気になりそうだからな。

「はいどうぞ」

「ご苦労」

「もう。お礼は言わなあかんよ? 私は気にしないけど」

「なら良いんじゃないか? 我も人は選ぶしな」

「お礼を言わない事も人を選んでるてまたけったいな……。と、そういえば坊が戻った時の事なんやけど」

「「「……っ」」」

 急にぶちこんできたな皆わざわざ話題にしなかったのにお前は……っ!

「わ、私はよう見れへんかったから……? アレなんやけど……。皆は坊の体どう思ったんかなぁ思って……」

 せめて女だけの時にしろよそれ聞くの。なんで本人がいる前で聞くんだよ。はしたない。

「も、桃之生さんが男の裸について聞くだなんて……」

 ほら。ミケもびっくりしちゃってんじゃねぇか。

 さすがの紳士なミケもこれはドン引き――。

「あんなに恥ずかしがりながらも異性の興味を抑えきれずにいるところも可憐だ……」

 アリなんかい。

 つかお前カナラが美人で仕草が綺麗だから騙されてない? 大丈夫? 実は結構自分の欲求に忠実な女だよ? 現に今も他の女に変なこと聞いてるしさ。

 ま、お前が女に騙されようがたぶらかされようがどうでも良いけどな。

「正直ヤ○チンにしては毛もなくて綺麗な――」

「答えんなバカ! 聞きたくないからそういうの!」

 本当だバカ。俺の息子の感想なんていらねぇんだよバカ。

 あと正確には生えてるもんはリリンと深く繋がったときから薄くなった。

 首から下はほぼほぼ生えてないんでよろしく。

 ……かゆくなくなったのは良いけど男としてはちょっと複雑。

「いや聞いたのえんちゃ……がふ!?」

「言い訳すんなバカ!」

 顔を赤らめながらいつもより強めに腹いったな今。

「……っ。…………っ!」

 その証拠に伊鶴が声を上げずにうずくまってんもん。ざまぁ。

「はぁはぁ……。まったくあんたは……」

「結局いつも通りですね」

「ある意味で安心するな」

「なんであんたらはケロッとしてられ――……っ」

 割りと冷静な八千葉と夕美斗に対してなにか言おうとして俺と目が合う。すると即行目を逸らされた。ひどいヤツだな。

「はいはい! おしまいおしまい! この話はおーしまい!」

 めちゃ強引に話を切り上げたな。

 助かるけどできれば謝罪を入れてほしかったかなって俺は思うよ。

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