第264話
「それじゃご飯も頂いた事やし。お風呂にしよっか♪」
うん。当然の流れだし、それはね? 良いんだけど。
なぁんでまたご機嫌なのかなぁ~? カナラマッマはよぉ~?
まるで一緒にお風呂に入ろうって言ってるみたいだぞ~? おかしいよねぇ~?
「ささ! お風呂はあっちやよ~♪」
と、カナラは俺を抱えて風呂場へ向かうのであった。
別にね? 良いけどね。一緒にお風呂。うん悪かぁないよ。眼福だし。
ただまぁ俺が興奮するのは男の子ですしわかってもらえるかと思うんだけど。
カナラの表情がね……。なんとも言いがたいすごい顔してたんだよなぁ……。
酒でも飲んだかのような紅潮した頬に潤んだ瞳がその興奮の度合いを物語ってるよ。なぜかもうないはずの角がちょっと見えたレベルのやべぇ面でした。はー幻覚怖い怖い。
まぁこいつの場合酒自体は毎日飲んでるみたいだから飲酒を咎めることはないんだけどね。……その顔の原因が酒ならだけども。
こいつ……ガロン単位で飲むみたいだからな。で、基本酔わない。酔うのは酒飲みながらよっぽど興奮してるときとかくらいらしい。
これだけ見るとすげぇダメ人間っぽくて不思議だね。ある意味ダメ人間だけどさ。色恋的な意味で。
でも酒にはめっっっっっっちゃ強いことには変わりない。故に現在素面。素面で酔っぱらいみたいな顔してる。だから怖いだよ。余計にさ。
まぁこのへんは諦めますよ。うん。きっとカナラは節度を守ってくれるだろうという信頼も込めてな。
「んにゃ~にゃ~」
だがしかし。すでに俺に被害をもたらした足を掴んで離さないテメェはダメだ。
小さい体、そして全裸で貴様の相手はしたくないんだよ切実にな!
ちょっとは良い子になったかなって思った瞬間にすーぐわがまま退行しやがって。何度目の裏切りですかあんたは~もう。
ってか本当に嫌なので誰か助けて。せやロッテ。ロッテや。ロッテはんなら助けてくれはるわ。
さぁロッテさんや。俺のこのアイコンタクトを受け取って――。
「コロナ。お前はあとだ」
「やあああああ!」
と、アイコンタクトの前に察してくれたロッテさん。惚れそ。大好き。愛してる。
でもコロナは離さない。お客様迷惑です。早くお離れやがれください。
「やぁあ! あっ!」
「こらあかん。全然離れへん」
「何気に腕力強いからなこいつ……」
「いっそ一緒に入ったほうがええとちゃう?」
「いや、それだと才にストレスがかかるだろう。今も結構不機嫌だしな。ほらコロナ。嫌われないうちに離れ――」
――バチン!
「きゃ//////」
「お、おう……」
頬を染めるカナラとロッテ。
それはなぜか。たった今、コロナが大変なことをしたからです。
そうです。サスペンダーが壊れ、パンツごと持ってかれ、私は下半身丸出しになってしまったんです。
この野郎……。よくも赤っ恥をかかせてくれたな? お?
羞恥心は消えかけてるけど普通にこれは軽くプチッと来るからな? そこんところご理解いただけますかな? コロナさんよ?
「……っ。……!」
俺の怒気を感じ取ったのかコロナが逃げていく。
うん。まぁ離れてくれたなら良しとしよう。今回だけは許してやる。
ただお前。ちゃっかりズボンとパンツ持っていってんじゃねぇよ。離れたところで大事に抱えてんじゃねぇよ。
見た目ガキだから良いけど、もうちょっと身長あったら完全にやべぇヤツだからな?
今でもヤバイのにこれ以上変な道を歩まないでくれ。頼むから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます