研究資料28頁目 一角獣について

【名前】

 ユニコーン

【種族】

 草食種そうしょくしゅもしくは獣脚種じゅうきゃくしゅ

【別名】

 一角獣いっかくじゅう

【生息地】

 草原、森林、山岳など様々な場所で目撃例がある

【大きさ】

 頭胴長五ファルト前後

【生態・特徴】

 草原などの開けた土地に住む個体は、つのが長く先端がとがっていることから鋭角獣えいかくじゅう、森林などの空間に制限のある土地に住む個体は鋭角獣に比べて角が短く、若干じゃっかん丸みをびていることから鈍角獣どんかくじゅうと呼ばれて区別されることがあるが、どちらも正式名はユニコーンである

 いずれも体毛は白色や銀色、青みの帯びた白色

 鋭角獣と呼ばれる個体は、主に雷魔法もしくは風魔法を使うとされ、一方で鈍角獣と呼ばれる個体は、植物魔法もしくは水魔法を使うとされている

 一角獣の目撃例、遭遇例自体は非常に少ないながらもない訳でもなく、運が良い冒険者ならば二回、三回と複数回遭遇した例もあるが、戦闘に発展したということはあまり耳にしない。何故なぜなら一角獣は警戒心が強く、下手へたに近付いただけで逃走してしまうからだ。しかし、伝承でんしょうによれば幼子おさなごのような純粋な存在であれば、興味本位で近付いてくることがあると言われている。また、古文書こもんじょによれば、迷子になった子供を両親の元まで送り届けてくれたという言い伝えがあり『おうちにかえろう?』というお伽噺とぎばなしの、元になっていると言われている

 他怪物モンスターと争うことがあるのかどうかについては目撃例がないこと、また痕跡こんせきが少ないことから、あるかもしれないということで詳細は長いこと不明とされていた。しかし嵐の日に雷を取り合って白雷獣ビラジャンシンと戦っている場面に遭遇

 鋭角獣はその生息地という点から一角獣の中でも目撃例が多い方である為、一般的に一角獣と言えば鋭角獣を思い浮かべる人が多い。一方で鈍角獣は森林に住むという特性上、目撃例は一角獣全体の二割に留まっていることからその生態は謎に包まれている(あくまで記録や文献ぶんけんに残されている物に限る)

 鈍角獣の中で長く生きた個体は、角が変形しシカのように枝分かれしていくのだそうだが、中には生まれ付き枝分かれする一角獣もいると言われている。発見例があると言われているだけで、明確な記録などが残っている訳ではない

 本来は単体で行動しているのだが、出産して間もない頃は家族で行動していることが多いと言われているとのこと。

 滅多めったに人前に姿を晒さないので、その生態のほとんどは不明。もし家族で行動している姿を目撃出来たらその群れが立ち去るまでに、五回願い事をとなえたら願いが叶うという言い伝えがある

 鋭角獣、鈍角獣とは別に聖角獣せいかくじゅうと呼ばれる個体があると言われているが、その詳細は不明であり、存在そのものがいるかどうかも定かではない。しかし、過去の文献によると、山岳地帯での任務で原因不明のやまいおかされた状態での目撃例が数例であったことから、幻覚を見たということになってしまっている

 しかし、そのいずれの目撃例も共通点が複数みられることから、幻覚ではなく本当に目撃していたのではと筆者は考えている

 また、いずれの発見例も病によって意識が朦朧もうろうとしている状態であること、そしてその状態から生還しこうして記録として残っていることから、無事に下山出来るように道案内をしていたのではないかととらえることも出来る

【素材】

 戦闘に発展する例が非常に少ない為、討伐とうばつ記録もほとんどなく、使える素材についてはほとんど分かっていないが、角や体毛、血液は、武具や魔法薬ポーションの素材になるのではと思われる

 角を素材としてもちいたと思われる魔剣があるとされ、どこかの国の教会に聖剣としてまつられていると話に聞いたことがあったが、現時点入手した文献には記録としてなく、またその国の名前や位置なども不明な為、存在するかも分かっていない

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