異世界諸国漫遊記

研究資料22頁目 矛盾竜について

【名前】

　ケラビスピランス

【種族】

　獣脚種（じゅうきゃくしゅ）（竜脚種（りゅうきゃくしゅ））

【別名】

　矛盾竜（むじゅんりゅう）

【生息地】

　開けた平地であればある程度の寒暖にも適応出来る

　湿地、草原、荒野、雪原など

　森林などは身動きが取りづらいので見かけない

【大きさ】

　頭胴長（とうどうちょう）二〇ファルト前後、尻尾の長さ一ファルト程

【生態・特徴】

　大型の草食怪物（モンスター）

　頭から生えた二本の鋭く大きなツノと、顔周りを板のような分厚い皮膚（ひふ）が覆（おお）っているのが特徴であり武器

　鼻の先にもツノのような出っ張りがある

　色は赤茶色（あかちゃいろ）に所々に黒い斑点（はんてん）がある

　荒野ならともかく他の地域では目立つその体色は、肉食怪物などに警告を示（しめ）す意味だと思われ、実際に草食動物を追っていた狼鳥竜（ろうちょうりゅう）が矛盾竜の集団の中に草食動物が逃げ込んだのを見て諦（あきら）めたという目撃例がある

　攻防一体の形となった頭部とその突撃力（とつげきりょく）、また群れという数の暴力。これらが合わさったことで、あの覇王竜（はおうりゅう）でさえも無闇（むやみ）に襲わないとされている。その為、覇王竜と遭遇（そうぐう）した時の対処法の一つとして、矛盾竜の群れの中に逃げ込むというものがある

　普段は温厚（おんこう）で、数頭から十数頭の群れで生活しており、こちらから手出しをしない限りは襲ってこないのだが、仲間が襲われたら一変して集団で犯人へと襲い掛かる。しかもとにかくしつこく、延々（えんえん）と追いかけ回されるので、素材欲しさに下手にちょっかいを掛けると、手痛いしっぺ返しを食らうことになる

　頭部周りが非常に頑丈（がんじょう）。足も意外と速く、体力もあるので中々振り切れない

【素材】

　頭部周りが特に素材として優秀で、武器にしても防具にしても問題ない

　骨も頑丈であるので、武具に限らず、建材（けんざい）や彫刻（ちょうこく）に用（もち）いられることもある

　体表を覆う皮膚も防具の他にも、高級鞄（かばん）などに加工される