Overwrite Express~乗降扉の向こう側
西野 至道
第1話 案内放送(プロローグ)
時の流れほど残酷なものは無い。
ゲームだってそう、リセットしてロードは出来るが、プレイに費やした時間は戻らない。まして、学生生活や恋愛はリセットすら出来ず、過ぎた時間や間違えてしまった選択肢は、どんな結果であっても取り返しがつかない。
もちろん時間を有効に使い、間違いの無い選択をした結果、充実した日々を謳歌しているならそれはそれで大変幸せなことだが、おそらく大半の人々は何かしら後悔を抱え日々生きている。
そんな残酷な現実にいたずら好きの神様が少しだけ奇跡を用意してくれたなら、あなたはどうしますか?
クリスマス直前の今夜、ブラック企業のノルマに追われ、彼女まで失った不器用な男に神様が用意したのは……なぜか1台の『高速バス』
さて、この高速バスは何の目的で、どこに向かおうとしているのか……
あ、そうそう、貴方の周遊乗車券も用意されていますが、乗りますか?ええ、貴方ならそう言うかと。座席は『11D』、最後列なのでシートは好きなだけ倒せるのが魅力、横にはトイレもあるので長距離でも安心ですが、走行中の車内は激しく揺れますのでご利用の際はご注意ください。あと、少しだけお約束が……今から見ること聞くこと、感じることにあなたは一切干渉できません。それがどれだけもどかしく、じれったくても……
最後に、シートベルトは必ずお締めください。それでは狭い車内ではございますが、到着地までどうぞごゆっくりお寛ぎください……
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