プレイヤーが見当たりません!

高木コン

始まり

第1話 プロローグ




 終電で自宅アパートに帰ってきた。


「クソッ! あのジジイ仕事押し付けやがって!」


 先程の会社でのことを思い出してイライラが再燃してしまった。

 イライラを発散させるように、パソコンを起動して、ずっとやりたいと思っていたVRMMOのヘッドギアをネットショップのカートに入れて決済した。


 今回は二徹くらいで済ませたいと思いながら、そのまま持ち帰った仕事を片付け始めた。




 電車は止まらずに済んだものの、嵐でびしょびしょに濡れて気持ち悪いスーツから直ぐに着替えた。


「あぁ……今日も疲れた。ふっふっふ。ついに届いちゃったな~。そうだよ。ポチッたんだよな~」


 宅配ボックスに届いていたVRMMOのヘッドギアが入っている箱を見つめながら、先日の衝動買いを思い出した。結局あの時は三徹の手前までかかることになった。


 今日も持って帰ってきた仕事をしなきゃいけないが、明日は久しぶりの休みだ。ネットの情報ではチュートリアルは一時間程と書いてあった。


「買っちゃったからにはやりたくなるのが人のさがだよなー」


 チュートリアルだけ。

 チュートリアルだけ。


 チュートリアルだけやったら直ぐにログアウトしようと、パソコン経由でLANケーブルを挿してネット接続したヘッドギアをかぶりベッドに横になった。




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