第1話 おかしいと思わないのがおかしいよ

朝起きたら5:00だった。もう一度寝たら仕事行く時間に間に合わなくなるなぁとゆっくり蹴っ飛ばした蒲団を元の位置に戻しながら荒れ果てた部屋の中を見る。

掃除しないと足の踏み場もないと母には言われているが、まだ歩くところはあるわ!

部屋の中は40代の男性であり、ゲームオタクでもある…って言えばテレビの回りにゲーム機が散乱している状況は言わなくても判ると思いたい。

ご多分に漏れず、ラノベ大好き乱読者のあるある「途中まで買ったけど、何処迄買ったか判らなくなり途中で放置しているシリーズが並んでいる本棚」が壁一面を占拠している部屋を見渡して「次の休みに買いに行くか(但し次の休みは未定)」と誰に言うとは無しに呟きながら本棚に納めてない山と修理途中のパソコンを横目で見ながら階下に降りる。

「おはよー母さん」

「おはよう。道彦、父さんに挨拶した?」

「おはよう、父さん、ばあちゃん」

と写真に話しかけながら制服に着替える。

「道彦ーえらい速いけど又早出か?」とご飯を用意してくれる母。

「ブラック企業あるある、急なシフト変更」と何度も言った気がする台詞を言いながらあまり食が進まない朝食を食べる。

「まーその年で転職はきついだろうし細く長く、あんまり無理したらあかんよ」

これ迄何度も繰り返してきた母との会話を聞き流し出勤仕度をして家を出る。

駅までは歩いて20分ってつい最近建った近所のアパートの分譲広告入っていたけど、あれは嘘だっ!

途中に交通量の多い制限速度を守らない田舎道があるから渡るのに苦労するから、45分かかって駅に着く。

え、事故で遅れとる。また橋脚に車が当たったんか…

とりあえず、上司に連絡だけしておこ。

ホームで待つこと15分、ようやく電車がやってきた。

見たこと無い車両だな、もう新型作ったんかとプチ電車オタクでもある私が乗り込んだ。

何時ものように出入口付近の椅子を出して座ろうとしたが早朝ラッシュ時間は開かないのを思い出して中程の空いている席に座る。

対面式でなく、まるで飛行機のファーストクラス(乗ったこと無いけど)のように一人づつ座れる席になっているのを見て(初めて見たな、新型ウィルス対策で新型車両を出したんかな?)とどうでもいい事を考えて数駅の旅に…あれ?猛烈に眠い💤


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