第706話
心残りが無い様に行動して体調万全で迎えたイベント開催日当日、例の会場に足を運んでいた俺達は集まった他の参加者達と一緒に壇上に立ってるテーラー・パークの姿を見上げていた。
「皆様!本日はお集まり頂きありがとうございます!今回、イベントを開催する事は皆様がご参加を決意して下さったからこそでございます!さて、早速ではありますがこれより午後2時から行われるイベントの詳細についてご説明をしていきたいと思います。少しばかりではありますがお付き合いの程をよろしくお願い致します。」
そう言ってペコリとお辞儀をしてきたテーラー・パークが始めたイベントの詳細を簡単に纏めると、要点は3つに絞られる事になった。
1つ目、イベントに参加するのは全16組でそこから半分ずつ参加者が減っていき最終的には優勝する1組を決定するという事。
2つ目、イベントの会場となるのは園内のど真ん中にあるバカでかい城。その中でとある試練をこなしていき頂上を目指して上がって行くという事。
3つ目、他の参加者と遭遇する可能性があるけど決して怪我をさせる様な行動等はしてはならない。もし仮にそんな事をすれば即座に失格となる。
「……以上がイベントに関する説明となります。何かご質問はございますか?」
「は~い!ちょっと良いですか~?」
「えぇ、どうぞ。」
「さっきぃ、参加者が減っていくって言ってましたけど~具体的にはどういう感じで減っていくんですか~?」
「それにつきましてはイベントが開催すればお分かり頂けますので、それまでお待ち頂けますか?」
「う~ん、特に危険な事は無い感じって事で良いのぉ?」
「はい、勿論でございます。ですが参加者の皆様が無茶な行動をなさった場合に限りそうとは言い切れません。その点につきましてはご了承下さいませ。」
「つまり私達がきちんとイベントを楽しめば何の問題も無いと?」
「えぇ。競技性のあるイベントではございますが、まずは楽しんで頂くという部分をお忘れなき様にお願い致します。」
「はーい!分かりました!」
「ほっほっほ、良いお返事ありがとうございます。さて、他にご質問のある方は?」
「あっ、すみません!今回のイベント、優勝賞品とかはどうなってるんですか?」
「それにつきましては優勝者が決まりましたら発表をさせて頂きますので、その時が来るのをどうぞお楽しみになさって下さい。ただ、決してガッカリさせる様な品ではないと思いますよ。」
「なるほど、やっぱり秘密なんですね。お答え頂きありがとうございました。」
「いえいえ、それでは他に質問が無いようでしたら……皆様、以前お渡しさせて頂きました鍵を私に見える様にお持ち願えますでしょうか?」
「あぁ、はい。」
「ほっほっほ、ありがとうございます。それではぁ……ほいっ!」
テーラー・パークの指示通りに参加者全員が貰ってた金色の鍵を顔の近くに掲げてから数秒後、彼はニコっと微笑みながら指をパンチッと鳴らした。
「うおっと!?……色が……変わった?」
「イベント開催の15分前にその鍵色と同じある物が城の周囲に出現致しますので、お時間を迎えるその前にお集まり下さいませ。それではまた。」
「あっ……行っちまったな……」
「え、えぇ……」
再び指を鳴らして煙の様にテーラー・パークが消えてしまったその後、俺達は困惑したまま他の参加者達とイベント会場を去って行くのだった。
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