第14・5章
第390話
「………何処だ……ここ……………それに…………俺は…………………っ!」
何の前触れもなく意識が戻ってきて、意識がぼんやりとしたまま周囲を見渡そうとしたら全身に激痛が走りやがった……!
「ちきしょう………なんて……最悪な目覚めだ………」
まぁ、そのおかげで……まだ生きてるんだなって実感は出来たけどな……ってか、なんだコレ……全身……包帯でグルグル巻きにされてんのか……?
「ははっ……こんな格好……マンガとか……ラノベでしか……見た事ねぇんだが……ちょっと……レアな体験を……した……気分だなぁ……いっつつ………」
って、喜んでる場合じゃねぇか……ようやく頭の中がハッキリしてきたんだ………ここが何処なのか……どうしてこんな所に居るのか……考えてみるとしますかね……
「えっと……内装と……この独特な臭いは……もしかして……病院か……?でも……それならどうやって……俺は確か……アイツをぶった斬って……確かそのまま……」
気を失っちまったから……誰かがここまで運んでくれたってのか?でも、一体誰がそんな事を……あの場には俺とレミ以外は……って、そうだ……!
「レミは……!チッ、ここには居ないみたいだな……まさか……俺達は…‥アイツを復活させようとしてた連中に拉致られたのか……?いや、それは考えすぎか……」
それならそれでもっと雑に扱われているはずだし、わざわざご親切に治療をして、こんな綺麗な病室に運び入れる訳が無いからな……
「うーん、だとしたらどうしてこんな所に……………あっ、そう言えば……!」
不意に呪いを掛けられた証であるネックレスの事を思い出してバッと首元に視線を下げてみると……そこにはもう、何もぶら下がってはいなかった……!
「ふぅ……良かったぁ………って、安心するのはまだ早いか………」
ここがどういう場所なのか何とかして把握しないと……ひとまず窓の外でも眺めて周囲の状況を確かめてみるとするか……それで、手掛かりの1つでも掴めれば……
「よっこいしょ……って、いっつぅ~……!これは……中々にしんどいな……」
ベッドから起き上がるだけで一苦労だぜ……しかも……この様子じゃあ、アイツに斬られた所も傷跡になって残っちまうだろうし……
「はぁ……マジで最悪だな……………ん?」
「…………えっ…………」
ため息と共に愚痴を零していたその時、いきなり部屋の扉が開かれていき反射的に顔を上げてみると……そこにはこっちを見ながら固まっているロイドの姿が…………
「……………」
「………………ッ!」
「えっ?ロ、ロイド?何で手を振り上げながら近づいてぶへっ!?」
「ッ!……ッ……!」
「い、いってぇ!ちょっ、ちょっと待ってくれロイド!た、頼む……か…ら………」
突然ビンタされた事に混乱しながら振り下ろされる拳を必死に防ぎながらロイドと目を合わせようとしたら……ボロボロと大粒の涙がこぼれているのに気が付いて……
「うっ……うぅ………どうして………どうして九条さんは…………うあぁぁぁ………うあああああぁぁぁぁ……………!」
「………………………」
肩に腕を回してきて……縋りつく様にしながら泣き始めたロイドの声を聞きながら目を閉じた俺は………どうする事も出来ないまま……ただひたすらに……彼女が泣き止むのを待ち続けるのだった…………
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