¢anvas Life(キャンバスライフ)

黒煙草

1枚目

学校での文化祭にあたって、バザーや軽音楽部によるロックなどが人気を博す


しかし、文化といわれる祭りでもあるので日々の教育での進捗などを発表する機会でもある


今回の主人公である男は、文化祭に着いて早々、美術部が制作する教室に向かう


教室内では美術部員が制作した展示品が並べており


戦場を駆け巡るガンプラを制作した男子

ゲームのキャラクターを描いた女子真面目に取り組んだであろう、キャンパスに油絵具で風景画を描いた女子


多種多様に渡る作品は見学に来るお客を笑顔にさせていった


男もまた、卵でもある生徒たちの作品を見て唸り、問題が起きないか傍で監視していた顧問でもある先生に質問をする


「この風景画、素敵ですね。どなたが描かれたのですか?」


「おぉ、あなたはお目が高いですね!あなたも絵描きかなにかですかな?ああいえ失礼!この作品はうちの優秀な女生徒が描かれたものでしてね!今お呼びしましょう!齋藤!少しこちらに来なさい!」


中々おしゃべりな顧問もいたものだと、考え込んでいるさなか、1人の女生徒がこちらに来る


「こちらが絵を描いた本人、齋藤 つばさです。優秀な生徒で、ええ、もう──」


男は女生徒を見てにやりと口頭を上げると顧問の話を無視して女生徒に話しかける


「翅さん…だね?僕も絵を描く人間でね…まぁ売れないしがない絵描きだけど…君の作品に憧れたよ」


「は、はぁ、どうも。紹介に預かった齋藤です、下の名前では呼びなれてないので出来れば上の名前で呼んでいただけると幸いなんですが…」


齋藤と呼ばれた娘は男を見るなり警戒心を高めた


それもそのはず、初対面にも関わらず下の名前で呼ばれてしまうなど普通はありえないからだ


「あはは、それは失礼したね…だけどこの絵は我を忘れるほどの素晴らしい作品だったんだ…許してくれないか?この1枚1枚、丁寧に描かれた葉や草原を駆け抜ける馬が凛としていて、それでいて力強さを感じるんだ」


「あ、はぁ…まぁ──」

「そうでしょうそうでしょう!彼女の得意な動物に対しての思いが強く表していましてね!私もこの作品を見て感慨深くなりました!」


娘の言葉を遮るように顧問が割り込む

それに苛立ちを覚えた男は、周りに気づかれないように小さく舌打ちをした後に、顧問に笑顔を見せる


「顧問の方、でしたね?絵に詳しいようなのでまた日を改めて話を聞いてもよろしいですか?」

「む、むむぅ、そうですな!いや私としたことが、熱が入ると我を忘れてしまう傾向がありましてね…申し訳なかった…日を改めてとなると後日となりますのでお名前を伺っても?」


名前を聞かれたのでペンネームの偽名を使う


「χI(サイ)と申します…本名はあまり知られたくないのでペンネームですが…」


χIという名は男が昔使っていた名前で、今では世に知れ渡っていない

そのため


「χIですか…あまり聞きなれないペンネームですな…まぁ良いでしょう、こちらは私の携帯番号が入っていますので、お電話させていただくと有難いですな」


と言って顧問の男は、χIと呼ばれる男に名刺を渡す


χIは後で破り捨てることを目標にし、齋藤という娘を一瞥する


娘は顧問と男のやり取りには耳を立てていなかったものの、興味がありそうに男を見定めていた


「じゃあ、齋藤さん…だったね?僕はあなたの絵に出逢えたことに、運命を感じました…ですかあなたは学生の身分、なのでここら辺で失礼させてもらいます」


男がそう言い放つと、齋藤は頭を下げて


「いえいえ!こちらこそありがとうございました!」


と、元気よく返事をした


─────────────────────


男は校舎の中庭で一息つく


学校内では禁煙のため、無意識に指がタバコの入っている胸ポケットに伸びるが


「そういえば禁煙だったから持ってきていなかったな…」


ないことに気づき、再びぼんやりと空を眺める



数分経ってか、1人の女生徒が男に近づく

先程の娘だ、齋藤と言った名前だったろうか?


「あ、あの!先程の方ですよね!?」


「うん、そうだよ、さっきはありがとうね」


男の感謝に女生徒は頭にはてなマークを浮かべる

それを感じた男は言葉不足だったことに気づき、説明する


「いや、最近はああいった絵を見てないからね、とても刺激的だったんだよ。そういう意味での感謝さ」


ああ、と女生徒は納得し、口を開く


「わ、私もあなたのような評価してくれる方に見ていただいてとても嬉しかったです…えぇと、χIさんですよね?」


偽のペンネームを出され、そういえばそんな名前だったなと感慨深くなる男は、ペンネームを訂正する


「あれは咄嗟に出た嘘のペンネームさ、あの顧問がうるさくてね…ははは」


語尾にカラ笑いを付けて茶を濁すと、女生徒は質問する


「あの、では名前…は不味いですよね…ペンネーム聞かせてもらってもいいですか?」


「僕は────」




ペンネームを聞いた時の、娘の顔は実に面白かったな


──────────¢─────────


場所を移して夕刻、娘のお自宅へと向かった僕は簡単な絵描き道具を持参して娘の部屋に上がり込んだ


両親は不在らしく、下に病弱な弟がいるそうだがそんなことは関係ない


病弱な弟の面倒を見なければいけないということもあり、外には出ることが少なく、弟のために写真や風景画を描き、弟のためにみせていたそうな


「…弟の、様子を見ましたがぐっすり寝ています…あの!早く身体の火照りを冷まして下さい!」


「大きな声を出すと弟さんが起きちゃうから静かにね?」


「あぅ…」


顔を赤くし、恥ずかしそうに下を向く娘に対して僕は準備を急ぐ


僕の描く絵は娘と僕、2人が息を合わせていないと完成しない


第三者の介入などあってはならない

弟が病弱と言っていたものの、物音などを聞かれて部屋を覗かれることなどあってはならない


そしてそれを知った姉であるこの娘に、心情が乱れるようなことがあれば────


「え、えと…服脱ぎました」


娘の一言に我を返る

どうも僕は失敗を優先的に考えてしまう…これでは完成する物も完成しない


道具を片手に、娘にはベットの上で四つん這いの姿になってもらう


「こ、これ…!恥ずかしいです…っ!見えちゃいますよ…」


知ったことではない、やらねば…終わらない


「息を整えて、ゆっくり…そう、息を吸って…吐いて…」


娘には落ち着きを取り戻すために深呼吸を促す


全裸という非日常を、赤の他人に見せられるのだ


無理もないことはわかるが、少し落ち着いて欲しいものだ


「んじゃ、イクよ?」


────挿入


僕の持つモノが、娘の内部、そして奥へと侵入すると


娘の股から破瓜の血が流れ始める


処女だったのは知らなかったが、条件としては好都合だった


「あ、ぐぅ…っ!あなたのが私の中を広げて…っ!」


「少しキツいね…落ち着く間て動かずにいるよ?」


娘が頷くのを確認して、僕は娘の具合を見やる


──非常に安定している

──僕は非情にも喜んでいる


前回の娘や、前々回の娘は痛みに暴れてシンクロどころの話ではなく、“化け物“と変化してしまったからな


“討伐隊“には迷惑料払うのに2年もバイトさせられたな…あれは精神的にくるものがあった


「どう?落ち着いた?」


「あ、はい…動いても大丈夫です…」


その言葉を待っていたと言わんばかりに、僕は腰を前後に動かす


そして、動かしながら娘の内部を探り、を狙い定め、突き始める


「あっ…んっ!やっ!あっ!んん〜…っ!」


必死に声を抑え、弟を起こさないようにする健気な姿を見て僕も興奮度を高める


(そろそろいいか…)


僕はそう思いながら、学生である分グラビアアイドルとは違った、少し肉の付いた腰周りを両手から片手にし、もう片方の手で絵を描くための道具を持ち出す


「痛むかもしれないけど、それも快楽だ…全てを受け止めてね…」


娘の返事は聞かずに


尻肉の分厚い部分に少しづつだが描いていく


──簡単なハートを

──されど命を灯すように


「う…っ!」


痛みが来たのか、悶えたので声をかける


「僕のモノに集中して…そう、いいよ…すごく締まった…あぁ…」


娘の身体の内部に挿入した僕のモノを、これでもかと締め付ける娘は快楽を欲しているような錯覚すら見えた


錯覚だ


だがそれでも気持ちがいいことに変わりはない


彫りながらも、モノが入ってる腰のスピードを上げる


「やっ!はげし…っ!んっ!ひぅ!やっ!ぁあっ!」


快楽と痛覚の同時進行は、男がサポートしなければ女は耐えられなくなる


これは前回、前々回に学んだことだ


ラストスパートに向け、彫りと腰の動きとの連動を早める


(──これならイケる!)


僕は確信した


「…そろそろ出すよ」


「んっ!あっ!わ、わかりっ!ひうぅ!」


ジジジ、と響く焼ける音は腰から響く肉のぶつかる音と共に消え去る


(──最後に…いや、これは前回やらかして“化け物“になっちゃったからな…慎重にイこう…)




そして、娘に合わせて僕は“絶頂“する


それと同時に娘の尻肉に彫られたハートの刺青も、完成する


「はぁー…はぁー…っ!んんっ!」


余韻が、後からくる快楽が娘を襲うがそれに耐え、息を整える


──初めてだと言うのに、よく耐えたものだ…


僕なんかは卒業する時、後先考えずに腰を振りまくったものだからその時の女子が“化け物“になって迷惑かけたし…僕も気絶したりで騒動になったからな


今回はいい娘を拾ったものだ…

そんなことを考えていると娘から声が掛かる


「あの、…あ、ありがとうございました」


感謝の言葉


下手したら強姦にならざるを得ない状況で、娘はそう言葉を口にした


「いや、感謝はいらないよ…僕も経験は浅いし、上手くフォローできた自身もないからね…」


と、強姦容疑から遠ざけるように話の路線を逸らす


「いえ!そんなことは!……っ、あ、いえ、その…わ、私も初めてだったので…とても気持ちよかったです…」


最後の方は小声になり、顔は恥じらいが増してくるのが視えた


生娘…ね、あまり気持ちのいい言葉ではないのは確かだ


この世界では特にそうだ

生娘というのは侮辱に当たる言葉と化し、経験のない処女持ちの女は、女性の立場からすれば下に見られるのが大半だ


────この世界は狂ってはいない

────そういうふうに思考回路を狂わせた人間社会が狂っているのだ



心の底から微笑する


男からすればそんなことは問題ない

むしろ初物というのは心躍らされる言葉だ


そして、処女というのは“魔女“にも“化け物“にも『成り易い』



「翅ちゃん、刺青…最近の言葉では『刻印』かな?それを同じ女性に見られるのは構わないが、先生達には就職活動するまで内緒にね?」


僕の絵は完成したのも当然だ

ハートを彫ったそれは、年月が経つにつれて華のように咲く


咲いた時、人類雌は進化を遂げる


現に、進化している

簡単に言えば、天使のような翼の生えた人や、頭に牛のような角を二重螺旋した物を生やした人


僕の場合は『華』がメインだ

今回の娘には薔薇を付けたので力を発揮しなければ、体臭が薔薇の匂いに満ち溢れる


国の政府機関はそういった能力を優遇し、企業に就職した際は援助金などを保証してくれたりする


羨ましい限りだ


「あ、だ、大丈夫です…、でもお父さんお母さんに言ってもいいですよね?というよりあなたのことを紹介しても…」


「駄目だ」


僕の一言に娘は驚き、俯く

強く言ってしまったか…というより説明不足か


「ま、まぁ考えてみてよ…僕は売れない絵描きの彫り師だし…翅ちゃんは今回のことで将来有望になったこと間違いなしだ、僕は君とは並べない。並んだとしても不恰好だ」


とまぁ、自分を卑下するが…言葉にすると自分の言葉でも傷つくものだね…はぁ…


「そ、そんなことはありません!私は、あなたの優しさを知りましたし…、だから…自分をそんな評価しないでください」


ありがたいお言葉だね…でも僕は何を言われても心が動かないよ


「君に似合う男がいつか現れるよ…その時は僕のことなんか忘れて幸せになってね?」


娘の玄関に靴は置いていない


娘の部屋が二階にあるということもあったので、警戒という意味合いでも2階から出れるように靴を娘の部屋に置いている


その靴を履き、窓から身を乗り出す


「あ、ま、待って!」


「そんな格好じゃ、暴漢に襲われるよ?」


娘の今の姿は掛け布団を肌に纏っているだけだ、布一枚つけていない


「うひゃうっ!あ、あわわ…」


「それじゃ、またね…僕見かけても近づかなくていいから…」


不恰好ではあるものの、2階からそこらへんの屋根を伝い、体全体を使って降りることに成功する


飛び跳ねて着地して格好つけるなんて、人間業じゃないからね…




夜も深く、月明かりだけが街を照らす中を、僕は家にダラダラと歩いて帰った




──────────2年後──────────

煌びやかな勲章を飾る軍服の女性が場内の廊下を歩き、扉を開ける


齋藤 翅という軍服の女性だ

女性は壇上に立ち、目下の50にも及ぶ精鋭達を見据える


精鋭達は彼女の言葉を待つように静まり返っている


深く息を吸う翅は、口を開く


「いいかお前たち!!今回の討伐作戦、失敗は許されない!!」


精鋭達は顔を引きしめる

その表情に曇りはない


その表情に満足し、討伐対象の特徴を述べる


「────ということだ!各隊に別れそれぞれの役割を十分に果たせば必ずや討伐は成功する!!」


“成功する“という言葉を聞き、精鋭達は心躍らせる


「いいか!対象との接敵の際は油断をするな!!警戒を怠るな!!我が国のために!!成し遂げようぞ!!!」


その言葉を皮切りに、50もいる精鋭は雄叫びをあげる


「行くぞ!!出陣だ!!」



────齋藤 翅女将軍

彼女はとある男から能力を貰い受け、その力を、国のため、そして行方不明になったその能力付与した男の為に全線に立つのであった


「…生きていてくれ、私の愛した男よ」


未だ彼女は独身である

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