その8

 カーレンベルグ城は、かつてはカーナーヴォン城と呼ばれていた。

 つまるところ、城を立てたのはおそらくはウェールズから来た来訪者で、その後、ドイツ被れが城主になった辺りで、現在の名前に改名したという。

 その話を教えてくれたのは、フランツ・リクターという老猫で、彼はその城の森番として勤めていた。

「ホントにいろんなことがあったニャア」

 と、彼はいろんなことを教えてくれたものである(その一部は本書の中でもいかされているのを付記しておく)。

 しかし彼は、森番を辞めさせられて、たいしょく金で追い出されてしまった。晩年は、後任やわたしたちのような子供にオモイデバナシをして過ごした。

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