その3

この大陸における、人語を理解しているという意味での人は、大きく4つのいわゆる『種族』にまとめられる。

 1つは我々がいうところの地球に住んでいた人類、この世界でいうところの『来訪者ビジター』。由来は、実際に様々な方法(いわゆる神隠しと呼ばれる現象は、この大陸に『呼ばれた』ことによると考えられるし、今では自力で時間や距離を越える手段もある)で、来たことによる。

 もう1つは、この大陸に元々住んでいた『獣人』で、頭が我々の知る動物であること、及び彼らが自ら名乗っていたことが名前の由来である。

 基本的に猫であることだ多いが、理由は不明。

 3つ目に、人と獣人が交わることで生まれた『耳付き』。彼らは頭にいわゆるけも耳が付いたり、目がいわゆる猫目になるといった特徴がある。

 その特性ゆえに、人と獣人双方から差別されていた歴史がある。

 最後に『刻人タイマー』。人と獣人の子供の中で耳付き以外にまれに生まれる種族で、彼らがある一定の年齢に達すると、外見が年をとらないように見えることから、そう呼ばれるようになった。いわゆるファンタジー世界でいうところのエルフとか魔族みたいなそういったものを想起するといい。

とはいうものの、その一定の年齢は30後半から50代にかけてのことが多い(中には10代で年をとらない例や、他の種族のように老いる例も確認されている)。

 やっかいなことに外見だけでは、刻人と普通の人や獣人、耳付きを区別することは難しい。刻人は白髪になることが多く、それが彼らの特徴であるとはいえるが、別に白髪にならなくても刻人であることもあるため、それが絶対というわけではない。

 さて、最近になって『第5の種族』が生まれたという、研究者の報告がある。

 彼らは、外見こそ上記4種族であるが、超能力とも魔法ともつかない特殊な力を発現するという。

 まだ種族と呼べるほどの人数が確認されていないため、名前はなく上記4種族の中に彼らがいるという現状である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る