鎌倉西小学校ミステリー倶楽部

プロローグ「学校の怖いうわさ」

　「学校の怖いうわさ」を聞いたことがあるだろうか？

　誰もいないはずの音楽室から、ピアノの音が聞こえてきたり。

　図画工作室に置いてある石膏像（せっこうぞう）が、夜中に宙を舞っていたり。

　理科室の人体模型（じんたいもけい）が、陽気なダンスを踊っていたり。

　学校によっては、怖いうわさが沢山（たくさん）あって、「学校の七不思議（ななふしぎ）」だなんてものもあるのだとか！

　そんな「学校の怖いうわさ」のほとんどは、「お化け」や「妖怪」の仕業（しわざ）だと言われている。

　誰もいない音楽室でピアノを弾いているのは透明人間。

　石膏像を動かしているのは空飛ぶお化け。

　人体模型は、実はダンスが大好きな妖怪などなど……。

　けれども、本当にお化けや妖怪なんてものがいるのだろうか？

　怪奇現象に思える「学校の怖いうわさ」にも、実は本当の原因があるのでは？

　誰かのイタズラであったり、はたまた見間違いだったりするのでは？

　そんな疑問（ぎもん）を持ったなら、ぜひとも「鎌倉（かまくら）西小学校ミステリー倶楽部（クラブ）」へ相談（そうだん）に訪（おとず）れるといい。

　頭脳明晰（ずのうめいせき）な部長が、「学校の怖いうわさ」の本当の原因を、ピタリと当ててくれると評判（ひょうばん）だ。

　――くれぐれも、本物の妖怪やお化けが出る前に相談するように。