第7話 この団地をお勧めしたい
是非とも貴方にお勧めしたい。何しろこの団地には面白い人が沢山住んでいる。だから、一日たりともその興奮で満たされない日は無いだろう。
例えば、夜、貴方がゆっくりと寝ようと思うことが偶にはあるかもしれない。けれども、そんな詰まらないことは住人が許さない。大声で
ええ、勿論、夜だけじゃない。昼だってめちゃくちゃ楽しいことが起こります。トイレに入っていれば水が流れなくなるし、電気も時々、いやかなり久しく使えなくなって、家の中でキャンプ気分を味わうことが出来るし、窓を開けて涼んでいれば花火や爆竹も飛んでくる。
はっ? 何言ってんの? 楽しいじゃん。飛んできたのは投げ返すのが礼儀。方向は見計らっておいて、やり返してやる。それが面白いと思わないか? 何なら花火なんか大量にあるし、水風船を膨らませて投げつけてやっても良い。もし、貴方が金に糸目をつけないならば、金属類を投げるのが一番効果的だ。包丁とか間違いなく威力があるし。
先日は机を投げてみたんだよ。近くの家具屋から拾ってきたやつ。サトリとか言ったっけ? 有名な家具屋じゃなかった? 兎に角、壊れるかと思ったんだけど、イマイチだったね。ここ三階で高さが足りないからさ。
今度はもっと柔らかいやつを落としてみないと、有機物的な何かをさ。
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