夢から覚めて

ぽふ、

第1話

エレクトンは、私の精神安定剤だった。

それを私は、かなぐり捨ててしまった。

書くことをメインに考えていた時期があった。

その時にズバンと心を決めてしまったのだった。

それ以外の感情の流出は止めなければいけない、と。

それに、すぐ買えると思ったのだ。

しかし、それら全て嘘であった。

身の回りのものが、ひとつひとつ、なくなっていった。

カラッポになった私にできることは寝ることだけだった。

眠って夢を見て、夢の余韻を貪り見る。

そうしているうちに、他の全てのことができなくなった。

過去に、あれだけ無駄に歩いていたことも、遠い記憶の霞となった。

私は、歩けなくなった。



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