第3話

匕背[良い話ですか?それとも悪い話ですか?]と、コメントがあった。

ハチ[友人も別の会社の作品コンテストにエントリーしてたのですが]

書きづらい私。ポチの品性が問われるからだ。

ハチ[悪い話です]と歯に衣を着せる。

匕背[妄想は受け付けません。真実を話してください]

ハチ[金子さんの物語は友人の作品に酷似してます]

書いた。炎上するなよ(汗)

匕背[金子先輩は何かを読んだのではなく心から沸き上がってきた物語を書いたと聞いてます]

匕背[偶然でしょう。似てる箇所は。同じ時代を生きてるのだから]と、やはり厳しい。

ハチ[証拠は最終更新日が翌朝だからです][一晩で三万文字以上書ける彼ではありません]と入力した。

匕背[仕事の話が入ったので、一旦失礼します]

と、とぎれてから音信不通になるとは想いもしないハチとポチの二人だった。そうそう、ある大賞を取った作家は2つの物語を1つにまとめた、と書いてた。だから、一晩で三万文字以上書けない、説が信用されないかもしれない。

匕背ヒロシの話を聞いてると金子すら自らの作品とうたってる事に疑問が無い様に聞こえる。「ポチ、なんかヘマやった?」私が聞くと「何回も音読したけれど」との事。で、「何れくらい煩く?」と聞き返すと、普通にしゃべっている位の音量で、と言った。「盗聴でもしない限り無理な音量だよ」と言う。なら、ポチはテレパシーが使える超能力者なのか?と、現実的でない方にしか、理解が出来ない。

音読させてみたが、超能力と言うより普通の話し声(音が聞こえるから、かきけされたのか?)だ。だから匕背ヒロシからの連絡がこない事に不謹慎にも安堵した二人だった。そしたら季節はめぐり『匕背ヒロシ失踪』と、なる。二人はどうすれば、金子や匕背に連絡をとれるか、わからなくなってしまった。弁護士とか雇わなあかんヤツ、とお金を持っていない学生達はふらついた。仕方がないからポチは作品の表紙やあとがきで、金子さんや匕背さんが演じてくれないかな?という嫌みな備忘録的な表示を(反省の連絡が無い限り)して、次作にとりかかった。

未だに反省の色は見れないので、ポチを金子と匕背の熱狂的なファンと、思っている本当のファン達から、『仲良しさんですか?嫌いなら嫌いって言わないと、後で損するだけだよ』といったイビりがあるが、ポチは諦めない。

そして「文鳥は要りませんか」はコンテストでふるわなかったが、ポチは賞に受かるまで改稿するというアプローチで我慢するらしい。

それにしても、なんで音読内容が聞こえたんだろう。キミならどう私を騙す?

私はキミを騙せないけれどね。




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