第10話 神の申し子

 ここはエスポワール王国。代々ベリー家の第1子が王を継ぎ国を支配して来た。

 だがエスポワール王国の神ネモが、魔界の大魔王デモニオに敗れ、神は王国にバリアを残し去った。


 それから時が流れ、国民は今の国王ルーカスと共に強固な国作りに励んできた。荒れ果てた大地に田畑を耕し、家畜を飼い漁業を営み猟をした。

 中でも目を見張る発展を遂げたのは、ルーカス国王が作ったコントラタック隊だった。文字通り魔界に反撃する組織。魔界を滅ぼしバリアのない世界を作り平和に暮らす事を目的に作られた。

 志願者は多く毎日訓練を行っていた。コントラタック隊を指揮するのはグレタ隊長。だが老いた身体は自由を奪いつつあった。そこで1番強く頭の回転も速い盾戦士ハリーに実践訓練を任せていた。


 そんな中ルーカス国王とデイジー王妃の間に子どもが産まれた。そう、転生したタマ子である。

 タマ子は透けるような白い肌に淡いピンクの髪、目は薄いブルーで誰が見ても可愛い赤ちゃんだった。


「おぉー、なんと麗しい王女だ。デイジーによく似ている。未来のタマ子女王」


 ルーカス国王とデイジー王妃は抱き合って喜び、何度も何度もタマ子にキスを送った。


 タマ子王女が産まれた日、神トキノが降臨した。バリアは強化されタマ子が産まれた室内は天から鮮やかな眩い光が舞落ちた。

 それを見た国民達は一同にタマ子王女は神の申し子と讃えたのだった。

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