頑張れタマ子!負けるなタマ子!
ゆめ猫
第1話 タマ子誕生
第二次世界大戦終戦から15年が経った、1960年7月27日。
1人の女の子がけたたましい産声をあげた。だが両親は男の子が欲しかったらしく、2人で抱き合って泣いた。
まだこの時代、家系を継ぐのは男という風潮がある。
1人目は女の子。母親の身体の具合により最後の出産だった。今のように妊娠中に男女の判別は出来ない時代。
よって産まれて来てから悲しむという結果に至ったのだろうが…。
可哀想なのは産まれてきた女の子。看護婦がその子を抱き両親の元に戻って来たが、尚も2人は泣き続ける。
見かねた看護婦が声をかける。
「切れ長の目がとても可愛いですよ」
その言葉に同調するかのように、また激しく泣く両親。看護婦は諦めベビールームに連れて行った。
望まれない赤子は両親に顔を見てもらう事も抱かれる事もなかった。
これが原田タマ子の誕生だ…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます