昼飯


三船

『佐々木ってさ、あいついつも弁当だよな』


吉田

『そだな、お前パンだもんな』


三船

『お前もほとんどコンビニで買ってんだろ?弁当って良いよな』


吉田

『あーわかる、たまに食べたくなるよね、コンビニじゃなくて人の手作りの弁当』


『うまそうだよね』


三船

『くれるかな』


吉田

『頼むか、奪うかだ』


三船

『卵焼き貰って良い?』


佐々木

『いいよ、どーぞどーぞ』


三船

『ありがとー』


『うんうん、卵焼きって感じ、美味しいけど』


『卵焼きでしかないな、10点!!』


佐々木

『卵焼きだしな。』


吉田

『俺も!頂戴!』


佐々木

『いいよ』


吉田

『ありがと~』


『あーうめぇ!これすごい好き!』


佐々木

『唐揚げ取るなよ』


吉田

『まぁいいじゃない』



~後日~



三船

『お腹すいたな』


吉田

『確かに』


三船

『佐々木の弁当食べちゃおっか』


『佐々木いないし』


吉田

『マジか、ほんとにやるのか』


三船

『おまえがやるならやるよ、やろうぜ』


吉田

『おぉ、わかった、どういう作戦だ?』


三船

『人の弁当食べるのに作戦なんているか?』


『じゃあ佐々木が戻ってくる前に不自然じゃない量を食べて戻す。』


『これだな』


吉田

『だめだ、そんなんじゃ参加できねえ』


三船

『なんだと』


吉田

『佐々木が戻ってくる前に全部食べるぞ』


三船

『なんだと。』


吉田

『全部食べて、すぐに弁当箱を洗いに行く。』


『今日の弁当中身入れてないじゃん!』


『って佐々木は驚く、俺達はバれない』


『これよ』


三船

『天才だな』


『じゃあおまえ白米な』


吉田

『いや、白米とおかずで担当分けるか?』


三船

『急がねえといつ帰ってくるかわかんねえぞ!』


吉田

『わかった、じゃあじゃんけんな、ただ負けて白米になったとしても、肉系のおかずは白米チームの物ってことでどうだ』


三船

『よし、それでいこう』


『じゃんけんぽん!』


『くーーーっ!!』


吉田


『雑魚が!おかずは俺のものだ!』


三船

『くっそ!仕方ねえ、肉は寄越せよ!』


『急ぐぞ!』



~佐々木のお弁当箱開封~



吉田

『な、なんだと、鮭弁当だと』


三船

『あいつ、焼き鮭なんて入れやがって』


『肉がねえじゃねえか!』


吉田

『待て、俺は白米無しで鮭を食うのか』


『そんなしょっぱいこと俺にはできねえぞ‥』


三船

『ばか野郎!もう後には戻れねえんだ!』


『俺は食うぞ!』


吉田

『三船‥そうだな、もう食うしかねえんだ』


『うおおおおおお』


三船

『うおおお白米だけだと進まねえええ』


吉田

『あーしょっぺっ、この鮭しょっぺえ』



三船

『急げ吉田ぁぁあ、あと数分で帰ってくるかもしれねえぞ』


吉田

『そうだな、、食うぞ 俺は食うぞ!!!』


三船&吉田

『モシャモシャモシャモシャモシャモシャ』



『食った!』


三船

『よし!洗いに行くぞ!』


吉田

『待て!洗いに二人も要らないはずだ!』


『俺は佐々木を引き受ける!あいつが帰ってきたら、時間を稼ぐ』


三船

『名案だ、洗いは任せろ、直ぐに綺麗にして戻ってきてやるぜ』


三船

『おおおぉ!』


吉田

『行っちまったな、俺は鮭の骨が喉に刺さっちまって、テンションだだ下がりだ、もうどうでもいい、後は頼んだ』


三船

『くっ、水洗いの限界はあるが仕方ない、こんなもんだろ!』


『水滴はトイレットペーパーで拭いて』


『よし、後は戻るだけだ!待ってろ吉田!』


『!!』


『佐々木は戻っていない!』



吉田は

親指を上げこちらにサインを送っている!



三船

『後は包みに入れて戻すだけだ!』


『よし!佐々木にはバレてない!やったぞ!』



~それから3分後~


佐々木

『あー、腹へったぁ』


『おまえらもう食べたの?』


三船

『いやー、まだだわ、これから』


佐々木

『あれ、弁当箱軽すぎるんだけど』


『え、何、嘘でしょ』


『うわぁー、空の弁当箱渡されたぁ』


三船

『何そればかじゃーん!』


佐々木

『いやー、えー、こんなことある?』


『めっちゃ恥ずかしいんだけど』


三船

『いやーそんなこともあるんだな』


『逆に思い出になったな』


佐々木

『まぁもう笑うしかねえよなこんなの』


『仕方ないからパンでも買ってくるわ』


吉田

『ん』


『やるよ』


佐々木

『え、いいの?お前の弁当無くなるじゃん』


吉田

『いい』


佐々木

『いやー、なんか毎日姉の弁当で飽きてたからたまにはコンビニ弁当嬉しいわ』


『さんきゅー!』



三船

『おい吉田、なんでお前の弁当上げちまったんだよ』


『俺だけ罪悪感を、感じるだろうが』


吉田

『骨刺さってて痛い、食欲無い』


三船

『そうか』









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