第3話 陽性症状の彼

 突然彼から誰かに追われている話を打ち明けられた時は

私はまさか!と思いつつも信じてしまった。それは私がバカがつくほど何事も信じやすいタイプという事と、住む場所がアメリカだしあり得る話だったから。


音楽を志していた彼が、レコード会社に契約の話をしに行った時に

誰かに後をつけられた。と私に話した。これはまさに「幻覚」であり、陽性症状がで始めた時でした。


そして誰かに監視されているとも言ってました。これは「妄想」の部類に入り、その誰かとは政府だと彼は言いました。


「自我意識の障害」誰かに支配されていると感じる。

自分と外の世界との境界がはっきりしなくなって周囲の影響を受けやすくなり、自分の行動や考えを誰かに支配されているように感じるようになる。だから彼は私と一緒になるイコール、私の息子の父親にならなければいけないと感じた。

また、音楽作りにおいても12時間休みなしで曲を作り続け、レコード会社の人に殺されると発言した。いわゆる「させられ思考」、実際に誰かに操られていると感じる「させられ体験」である。


「思考の障害」

考えにまとまりがなくなり、一つの話題から全く別の関連性のない話題へ話が飛んだり、つじつまが合わないことを言ったりする。

ひどくなると、会話が支離滅裂になり、周囲の人は理解できなくなる。

これは彼からもらった33通のテキストとその後78通に渡るテキストが証明している。


考えが急に中断されて、突然何も言葉が出てこなくなることもある。

これもまた何度もテキストの途中に彼がフェードアウトした。これはこの思考の障害によるものでした。



実は最近彼からのテキストを知り合いのアメリカ人に見せてみた。私の英語力でははっきり理解ができなかったので。ところがそのアメリカ人がそのテキストを見ていったのが、この彼はアメリカ人じゃないでしょ。と言うほど、彼の英語の文法も文章も壊れてしまっていた。いえいえ、彼はアメリカ生まれのアメリカ人だよというと、統合失調症以外の病も彼は持ち合わせてると思うとその知人は言った。


以外にも私が相談した知人二人とも統合失調症についての知識を持っていた。

そして病気に対する認識が強い分か、アメリカで統合失調症イコール、最悪は誰かを傷つけてしまう、私だけでなく私の息子の命も危うくなるという考えを二人とも持っていた。




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