ソレに溶けた
宮瀬 みかん
雫
視界が霞む
まるで昔深夜に見たテレビの砂嵐の中にいるみたい
溶けた脳みそで考える
私は今自分の部屋にいる
一人暮らしで家族も恋人も果ては友達もいない
部屋の隅で小さくなる
顔を覆う手の隙間から雫がポロポロと落ちてきて、自然と嗚咽が漏れる
ツギハギの豚が言った
「何故泣いている」
私は言った
「わからない、何故か悲しいの」
ツギハギの豚が答えた
「それはね」
「お前がビョウキだからだよ」
顔を覆っていた手から白くて丸いソレが、ポロポロと
ツギハギの豚はもういなくなっていた
ソレに溶けた 宮瀬 みかん @v4_mikan
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