第3話 恐怖

空の彼方の点ですらなかったものが、大きくなるに連れて、世間は冥王星特需に包まれていた。

街から外れた所にある山は、昼間の寂しさから一転、望遠鏡や双眼鏡を持った人だかりが、日増しに増え続け、どの山も賑わっていた。

そんな中、空の点はついには形がわかるほど大きくなり、どこまでも肥大していった。

しかし、人々の心に不安の文字が浮かび始めるぐらい、月の半分ぐらいの大きさになっても、普段通りの生活を続け、夜空を見上げてはその感情を大きくすることしかできなかった。

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