第4話レティシア婚約候補者になる 両親の本音を知る

 公爵家専属の化粧衣装メイド隊によって、準備が進んでいく。


 オレンジ色のふわふわで柔らかい長い髪は、編み込みで纏められ、

白い花の髪飾りをつけ可愛らしい髪形に。


 陶器のような白く艶のある肌全体に、軽くパウダーと、オレンジ系のチークをふわりとのせ、

発色の良い健康的な唇はリップのみで子供らしさと清楚を表現。


 オレンジを基調にしたワンピースの膝丈ドレス、ウエストに白のシルクで作った花が、

スカートは白のレースを入れてふわりとさせている。


 最後にネックレスで上品さを加えて完成した。


 レティシアは、清楚で愛らしい印象を与えるような仕上がりになった。


 支度の終えたレティシアは、両親の元へ挨拶に向かう。


「レティシア様がいらっしゃいました。」


 部屋に入るレティシアを、嬉しそうに見つめる両親。

「お誕生日おめでとう。レティシアとても素敵だね。あまりの愛らしさに倒れる方が出ないか心配だな。」

「お誕生日おめでとう。今日のレティシアは輝いているわね。」


「ありがとうございます。お父様お母様。

レティシア・バレット、今後は貴族の一員として王家と王国の為に精一杯尽くしていきます。」


 型通りの挨拶を終え満足そうにうなずく両親見ながら、【乙女ゲーム】通りならこの後婚約者候補の話が来る、私は取り乱さないと気を引き締める。


「いつのまにか素晴らしい挨拶が言えるくらいに成長したんだね。

少し前までは・・・・・・。」


 長くなりそうだと思ったメリーナは夫の話を遮った。

「ハワード。レティシアが素晴らしい娘なのは分かっているわ。(あなたの親バカも)」


 話を遮られ悲しそうな眼をしたハワードだったが、真面目な顔になり話し出す。

「レティシア、王太子殿下エドモンド・リーバ様(残念王子)の婚約者候補の一人に選ばれた。


 他の婚約者候補はミーナ・ロレーヌ公爵令嬢とカトリーナ・ドレーブ公爵令嬢だ。

16歳の王太子殿下の誕生日に婚約者は決定される。(それまでに外させないと)


 婚約候補者の教育は6歳から16歳までの10年にも及ぶ。

大変だと思うが、レティシアなら大丈夫だね。(辞退できると良いが、対策を検討しないと)


 2人のご令嬢、ご家族とも素晴らしい方達だ。(他家に押し付けたいな)

婚約者に選ばれても選ばれなくても、私とメリーナはレティシアを心から愛している。

(可愛いレティシアがエドモンドと結婚したら不幸になってしまう エドモンドは王になるのは難しいからな 邪魔になった時、婚約者だったらどうなるか)


 バレット家として言うなら、選ばれなくても問題ない。(むしろ選ばれないで)

婚約者でなくとも臣下に変わりはなく、王家の為に尽くすことができるからな。

(王と王妃や重臣たちも第1王女推しなんだよね。)


 婚約候補者だから今日の誕生日パーティには(残念王子)エドモンド殿下、王弟のアーサー様 魔法研究所のルーサ・ページ様 ロレーヌ家とドレーブ家 我が派閥の貴族がいらっしゃる。(残念王子には深入りせず上手くやってね)」


「かしこまりました。(お父様の言外のお言葉受け取りましたわ)

婚約候補者として精一杯努めます。(途中辞退になるように頑張ります)

今日は他の婚約候補者である、ミーナ様やカトリーナ様とも交友を深めたいと思います。


私も、お父様お母様を愛しております。(意見が一致していてよかったです。)」


 婚約者候補の話はあったが、映像では両親が喜んで婚約者にしようとしていたので、映像と全て同じわけではないのだと思う。

 映像と違う理由と他にも違う事がないか調べることを、心の中でメモをする。


「では、準備も整ったしパーティーに行こう。」

両親と手を繋ぎ、バレット家の3人は並んでパーティー会場に向かっていった。

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