第13話ぼぶさんは
朝のニュースでは、青酸カリで死んだ女子高生の話で持ちきりだった。
『ぼぶさんですか?この事件起こしたのは?』
思い切ってレイカはメールで聞いた。
『そうです。』
レイカは、深いため息をついた。
『何で?』
『イカさんの代わりに殺しました。』
男は、楽になりたかった。
『分かりました。会いましょう。』
とレイカは言ってきた。
『はい‥‥。』
今度は、ぼぶさんの最寄り駅で待ち合わせた。
直ぐに二人は会えた。
喫茶店に入りたわいもない話をしてお互い笑い合った。
「イカさん。俺これから自首します。」
「はい。」
「最後にイカさんに出会えて良かったです。」
「わたしもです。ずっと待ってますから。」
「‥‥。」
男は、さようならと行って店を出た。
レイカは、泣きながらコーヒーを飲んだ。
夜のニュースでぼぶさんが逮捕された事をシズカも真司も知った。
レイカは、ぼぶさんの笑顔を思い出しながら眠っていた。
十年後ー。
一人の男が刑務所から出て来た。
「ぼぶさん。」
すっかり大人になったレイカが待っていた。
「イカさん?」
男は、そう言うと号泣した。
レイカは、そんなぼぶさんを抱きしめた。
「お帰りなさい。」
「自分には幸せになる資格無いで。」
レイカは、ため息をついて
「ぼぶさんと一緒にいてわたしは幸せになれます!」
と言った。
ぼぶさんは、泣くばかりで何も答えなかった‥‥。
ぼっちなわたし 転ぶ @Ken123
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