翼騎姫―ツバキヒメ―

ここまでのあらすじ＆主な登場人物紹介

（第一章）Call of Crimson

　太陽系では、地球（ミドルスフィア）と火星（マルス）の対立が深まっていた。そんな中、マルス軍が正体不明（アンノウン）の機動兵器に襲われ、ティシュトリアが現場に駆け付けると、その不明機が逃走してしまうという事件が起こった。

　その後、ルースと共にルナーに降り立ったツバキは、そこで不思議な少女ユウと出会う。ルースと過ごすうち女性の体に徐々に慣れていっていたはずのツバキは、それをきっかけに、再び自分とルースについて疑問を持つようになる。ルースは、ツバキの『過去』について知っているようであったが、詳しい話をツバキに教えようとはしなかった。

　そして再び現れた、正体不明の機動兵器。今度は、ティシュトリアを狙って襲撃してきたが、ルースはそれを返り討ちにする。しかし、機動兵器に乗っているパイロットがユウであると知った時、ツバキはルースの邪魔をし、ユウを逃がしてしまった。

　すれ違い出したツバキとルース。ツバキは、ルースの元を離れ、地球（ミドルスフィア）へ帰ることにしたのだった。

＜主な登場人物紹介（ネタバレあり）＞

ツバキ・キサラギ：

　主人公、元軍人。今の生を受けるはるか昔に、ルースと『盟約』を結んだプラヴァシー（ナイトランダーのパートナー）。ルースのＤＮＡ操作能力で、女性の体になってしまっている。ユウと深い『縁』を持っているようだ。

ルース（ルシニア）・メガライン：

　セレスのナイトランダー。元々、女性の姿をしていたが、先の戦いでプラヴァシーを失った後、男性に姿を変え、「ルース」と名乗っている。

フィス・ディ・ラン、ピアース・グンター：

　マルスのナイトランダー。ともに、ルースのよき理解者である。冷めた様子のフィスと、熱血漢のグンターだが、なぜか馬が合うらしい。フィスはツバキの「過去（前世）」を知っている。グンターはナイトランダーで唯一の「妻帯者」である。

ヤナ・ガルトマーン：

　ミドルスフィアのナイトランダー。所属するエイジア行政府はおろか、他のナイトランダーとも距離を取っている。好んで「初老の男性」の姿をしているらしい。

ワン・シーピン：

　エイジア軍の大将。エイジア軍閥の実質的支配者である。ナイトランダーに対抗できる機動兵器の開発を秘密裏に行っている。

ユウ：

　遺伝子操作により、試験管で作られた「人造人間」。しかし、ツバキの「過去」にかかわりがあるらしい。

ウィル：

　エイジアによる機動兵器開発を裏で操る「人工頭脳」。しかしその「本体」を見たものはいない。