とあるバー
きよじろう
第1話 午後六時のバー
沖縄県の
とあるはずれに
実在するバーでの
出来事
午後六時
いつものようにバーがオープンする
開店と同度に訪れるのは
ほぼ常連さん
イタリアンを食べに行く前に
食前酒を軽く一杯
というようなカップルや
孤独な時間を紛らわす為にやってくる
一人客が多い
次の行先・未来がある
カップルや人達は
小一時間程度で
希望に満ちた笑顔と空気感を身にまとい
颯爽とバーを後にする
孤独を埋めに来た客は
しばらくバーで沈殿している
ぼくの指定席である
入り口入ってすぐの
カウンターの端の反対側の端に
いつも佇んでいる年配の女性がいる
グラスを傾けている時には
陰鬱な寂しげな表情だが
注文の時や時折話し掛けてくる
バーテンダーさんとの会話が
始まった瞬間
満面の笑みに変わる
ほぼ毎日
彼女はその一瞬の為に
希望を求めて
バーにやってくる
瞬きする位の時間の為だけに
まるで
掴めない雲を掴もうと
するかのように
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます