異世界激震!怪獣総進撃《ファイナルウォーズ》!!
来賀 玲
ジンガイ-大怪獣異世界守護物語-
プロローグ:大怪獣ジンガイの最後
ギャーッ!!ギャーッ!!
ギュォォォォオォォォォォッ!!
━━━━コイツらの声が、この世で一番耳障りだ。
食欲、攻撃。
何を言っているのか分からないが、
何を伝えたいかだけは、この醜悪な声と目が教えてくれる。
ギュォォォォオォォォォォオォ!!
━━━━うるせぇッ!!!!
オレの意思は喉から熱く吐き出されて、あの『クソバード供』を焼く。
……バード?違うな。
魂が、人間と繋がってた時に知ったんだ。
コレは、鳥じゃない。
じゃあなんだ?
この『災いの影』供をなんて呼ぶ?
ギュォォォォオォォォォォオォッ!!
うるせぇ!!耳障りだ!!
焼けて死ね!!
━━━ぐっちゃぐっちゃ
お前ら……何同族の焼き鳥を食ってやがるッ!!
気持ちが悪いんだよ、クソども!!
焼け死ね!焼け死ね!!
マナの炎で浄化されて跡形もなく消えろ!!
ああ……思い出したぞ。
この、空を埋め尽くすほど大量にいる醜悪な奴らの名を。
ギュオウ
そうだ、鳴き声と同じ名だ。
際限なく交尾もせず卵を産み、餌がなければ同族も食い、
ただひたすら、星の命を食い荒らす奴ら……!!
━━━オレと同じ、
遥か昔、作られた奴ら!!!
何度目かの炎で、オレは水面に浮かぶ自分の姿を見る。
頭、尾、脚、腕、それらを生やす楕円の甲羅を持つオレ。
亀、だっけか?人間の言葉を借りると。
オレは、亀に似た怪物だ。
馬鹿でかい怪物。コイツらと同じ。
いや、違う!!
オレは……コイツらみたいに命を食い荒らしはしない!!
ギュォォォォオォォォォォオォッッ!!!!!
ああ、この耳鳴り!
コイツらの声は……オレの耳も甲羅ですらズタズタにする!!
━━━キュルキュララァァァアアアアァァァァァァァァァッッ!!!
叫びたくもなるぐらいに、痛てぇ!!
切れた肩から、オレの緑の血が吹き出る。
━━おかしいよなぁ、オレ。
オレの名は━━━━
キュララァァァアアアアアアアアァァァァァァァァァッッ!!!
返礼代わりに、迫るギュオウに火を放って落とす。
それを縫って飛んできた奴らが、オレに噛み付く。
━━オレを、人間たちはこう呼んだ……
ジンガイ。
神の、鎧。
亀の姿から、オレが人間のものと知らないで何度か襲ったエネルギー源を壊す様子から、撃ち込まれた攻撃にひるまなかった恐怖から、付けられた。
でも、オレは実際は、コイツらの攻撃で簡単に傷つく。脆い神の鎧だ。
ギュォォォォ!!ギャーッ!
……へへ、噛みにくいか。
案外硬いんだなぁ、
そうだ、噛め。
食らいつけ、そして……離れるんじゃあねぇ……!
━━━自分の、体の奥が熱くなる。
もっとだ……もっと、燃えろ。
ギュォ?ギュァッ!!
なに離れようとしてんだ??
もう遅い。
オレの体が、真っ赤に燃える。
貴様らを滅ぼせと、オレの心が叫ぶ。
━━グルル……
熱い血も涙も流さない、ギャアギャアうるせぇクソドリ共!
お前らを滅ぼすために、オレの命をくれてやる……!!
━━━グルルルッ、
永遠に、
━━ キュルキュララァァァアアアアァァァァァァァァァッッ!!!
滅びやがれェ━━━━━━ッッ!!
━━視界が、燃える。
奴らも、この場所も、全てが、燃える。
ああ、ようやく
ようやく、終わる。
オレも、使命も、
終わった……………………
「うぅ……グスッ……お見事ですよ、まさにあなたこそ……!」
***
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