第188話踏み台を一段あがっただけ
踏み台を一段あがっただけ
妙に高みから見える景色が
世を変える
厭に柔らかい土でございます
暖かい藍色のつちくれで
少しばかりの塚
彼方が眠りについただけ。
底には誰もいないのでしょうよ
けれどね、
踏みつけた処 頬風が哭くのです
私はもう
涙すりゃ 出やしないさ
底は届凍り無く、
共並ば 葬送と
故。
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