第149話切々牡丹雪 庇(かば)われ新史

切々牡丹雪 庇(かば)われ新史

朱に書く溜息も 白くも解けゆく藍の空


尽くす心はお近し永しと

雪解け水に長るる朱色


誰の帯だかとんとわからぬ

程波風は孕んで雪増す


口に含んだお蜜柑に

いたく顔(かんばせ)顰(しか)めつらつら


草臥れた皮 楽なれと

妬き撞く小鳥 聲を生す

甘さ崩れず嘯(うそぶ)く椿

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