星は語らない

星になるということはいいことだ

空に飾られ、一日の終わりに祈る

祈る場所が目の前に広がっている

幾千幾万の星と人、燃え盛る星と人

弾け飛び生まれる星と人

消えた人は星になり、消えた星は塵になる

燃え尽きたら、星になった人の星はいなくなる

最期の光を届けながら目の届かないところに行く

小さい頃は、それは素敵なことだと思ってた

それはロマンチックや尊いものだと

結局、人は死ねば灰になる

灰は石碑の下で静かに眠り、魂は視覚できず

そうか、人は空にいない人を求めた

だけれど、それは生きる術

生きる者の望み。なんと寂しい

祈らなければ、言い訳をしなければ生きていけない

儚く消えてしまうのは人の方だ

星の人生に人間を重ねてはいけない

最期まで燃え盛る星に、人間を重ねてはいけない

幾千幾万の人

幾千幾万と星

しかし、やはり、星は一人で、人は一人で

循環の外と外、少し寂しかった

私たちは星と生きてはいない

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